小麦粉・バター・卵・砂糖を1ポンドずつ使う
バターケーキの一種である「パウンドケーキ」。18世紀後半に英国で生まれたと言われる、食べごたえのあるケーキだ。
英語で“pound cake”と書き、poundは重量の単位「ポンド」を意味する。小麦粉(薄力粉)・バター・卵・砂糖をそれぞれ1ポンド(453.59237グラム)使用することが名前の由来だ。
配合や生地の製作工程が変わると、しっとり滑らかなものからホロホロと口で転がるものまで、さまざまな食感に。できたてもおいしいが、数日寝かせて生地がなじむとまた別のおいしさが生まれる。
パウンドケーキは、バターを入れることで生地に風味とコク、重量感が生まれている。風味を重視する際は、無塩の発酵バターがおすすめ。
また、パウンドケーキはアレンジしやすいのも特徴のひとつ。ハーブやスパイス、ブランデー、ラム酒、リキュールで香りづけしても良いし、生地にチョコレートやココアパウダー、抹茶、砂糖漬けのフルーツ、ドライフルーツ、ナッツ、バナナ、アーモンドを混ぜても良い。
抹茶や黒ごま、酒粕、干し柿、そば粉、甘納豆などを用いて和風に仕上げるのもひとつの手。ニンジンやブロッコリーなど野菜を入れたお惣菜にしても合う。
なおフランスでは、「パウンドケーキ」のことを「カトル・カール」(Quatre-quarts)と呼ばれる。この呼び名は材料を4分の1ずつ4つ用いることを意味する。日本では製菓用語として「四同割」(よんどうわり)とも言われる。
参考文献:
「パウンド型ひとつで作る たくさんのケーク」(若山曜子著/主婦と生活社)
「菓子検定 公式問題集&解説【3級】」(大阪あべの辻製菓専門学校/評論社)
「あたらしいパウンドケーキ」(内田真美/家の光協会)