
2025年に世間に衝撃を与えたスイーツの1つを挙げるとすれば、ミスタードーナツが上半期終盤に繰り出したドーナツ「もっちゅりん」が挙がるだろう。ケーキの取材が主体の弊編集部も気になって足を運んで取材した同ドーナツを振り返る。
【関連写真】「もっちゅりん」ドーナツ全4種、他イメージ10枚「もっちゅりん」は、ミスタードーナツ55周年を記念した完全新作のドーナツ。食感にとことんこだわった新食感ドーナツを目指したシリーズだ。国産のもち粉と米粉の配合にこだわったコクのあるフライ後の生地の表面に、同ドーナツのために開発したオリジナルのコーティングをつけることで、手に取った時の独特の柔らかさ、食べた瞬間の弾力のある食感と柔らか食感を同時に楽しめる“もっちゅり食感”を実現した。種類は「もっちゅりん きなこ」、「もっちゅりん みたらし」、「もっちゅりん あずき」、「もっちゅりん 黒糖&わらびもち」の全4種。今年6月4日より全国発売された。

全国発売に先がけて、5月28日に都内で行われた初お披露目の発表会では、会場に入るや否や、「もっちゅりん!」と声を上げる謎の映像に合わせ、もこもこピンクのふるふわな謎キャラが登場した。
「なんだこれは? もっちゅりん? もっちゅりんとは何?」と頭が真っ白になった。世間に受け入れられるのか、その時点では、まったく未知数の物体だった。「これは企画がとんがり過ぎて、失敗するやつか……? ミスドさんの黒歴史になるか……?」という考えさえよぎった。

しかし試食すると、考えがすぐ変わった。
「あれ? 何これ?」
自慢の“もっちゅり食感”は食べやすく、きなこ、みたらし、あずき、わらびもちなどを使った懐かしい和菓子の味わいが感じられる。しかし和菓子ではなく、たしかにドーナツだ。気がついたら、同4種を完食していた。

発表会時のミスタードーナツの商品開発担当者は「構想から現在にいたるまで、さまざまな施策を経て、約2年ほどかかりました」と語り、国産のもち粉と米粉のブレンド比率などについて「独特のもっちり食感を実現するためにこだわり抜いた」と語っていた。
「もっちゅりん」はいずれも独特の新食感で、他ブランドのドーナツを見渡してもない(ないはず)、まさに”新感覚”のドーナツだった。
発表会の終わり頃には、「黒歴史になるのではないか?」という疑念が「これは流行るかもしれない」に変換されたものの、世間の反応は読めない。世間というのは世知辛く、一個人の想像を遥かに超える怪物である。
そうだ。意外とあまり盛り上がらず、店で気軽に食べられるかもしれない。そうしたら、近くの店舗でまた全種類購入しようかしら、フフフ。そんなことを考えた。

結果、筆者の淡い期待は完全に打ち破られ、空前絶後の大ヒット。情報が解禁されるや「食べたい!」の大合唱が巻き起こり、「もっちゅりん」を求めて人々が列をなした。各店舗で売り切れが続出し、ミスタードーナツが謝罪コメントを出す自体に。「もっちゅりんが買えない(=品薄で買うのが困難)」という事実だけで大ニュースに。”もっちゅりん狂騒曲”とも呼べる、なんとも日本らしい、平和な大騒動が巻き起こった。
ミスタードーナツ内部の人々は、この「もっちゅりん」をめぐる騒動をどういう思いで見つめていたのか。年の瀬の忙しい時期に問い合わせると(申し訳ございません)、心優しく応答してくれた。
「販売開始後から、多くのお客様からご好評いただくことができましたが、予想を大きく上回る反響によりご迷惑をおかけいたしました。今後は、より多くのお客様にご利用いただけるよう尽力して参ります」(ミスタードーナツ)
世間がおそらく気になるである、もう1つの疑問。「もっちゅりん」の復活販売はあるのか?
「多くのご要望を頂いておりますので、重ねてのご回答になりますが、ご要望にお応えできるよう引き続き尽力して参ります」(同上)
今後の動向に俄然注目だ。










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