2023年11月にお取り寄せ限定(大手通販サイトなど)で販売がスタートした「inゼリー 完全栄養カラメルプリン味」。フルーツの味わいをベースにすることが多い同シリーズの中で一線を画し、甘いスイーツフレーバーだ。長年、忙しいビジネスマンや栄養バランスが気になる人々の味方になってきた同シリーズの方向転換は、一体なぜ行われたのか? 製造メーカーである森永製菓に話を聞いた。
ファミマから3月19日に発売されたプリンスイーツ4種をレポートするはずが購入商品を間違えてしまった件ーー「inゼリー 完全栄養カラメルプリン味」は、約2年間におよぶ研究期間を経て完成しました。あらためて、完全栄養食をつくる難しさについて教えてください。
森永製菓:1袋で1日に必要分の3分の1の栄養素(※1)を、“おいしく”詰め込むことが最も難しかったです。栄養素には独特の臭み、苦みを持つものもあるため、それら全てをおいしくすることや、飲みやすいゼリー食感を維持することに苦労がありました。
ーー「inゼリー」シリーズは、総じてあまくないフレーバーが多いと思います。今回の「inゼリー 完全栄養 カラメルプリン味」が「カラメルプリン味」になった理由(甘くした理由)とは?
森永製菓:食事と間食の垣根がなくなる「食のシームレス化」が進んでいる中で、デザートの味わいを食として楽しむことも抵抗がなくなっていると考えています。そのような中で、よく食べられているスイーツとして「プリン」を選定しました。
ーー大手ECサイトのレビューでは「完全食の中ではトップレベルにおいしい」と絶賛の声もあります。社内で感じている手応えは?
森永製菓:栄養バランスを気にしている方などから品質を評価いただいており、大変うれしく励みになります。
ーー他方、後味の苦みや薬のような味、粉っぽさを指摘するレビューも。社内で感じている課題・改善点は?
森永製菓:数多くの栄養素を詰め込んでいるので、色々な味や香りが混ざりあって、おいしく仕立てるのはとても難しいので、レビューでご指摘されている方は、その原料由来の苦みを感じられているのだと思います。また、甘さが強いなどの声も頂戴しており、そうしたお客様の声を謙虚に受け止め、もっとおいしく感じていただけるような品質を目指してまいります。
ーー今後は、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、薬局などリアル店舗でも発売予定?
森永製菓:可能性があれば挑戦していきたいです。
※1:日本人の食事摂取基準(2020年)における18〜29歳男性の推奨量・目安量・目標量の3分の1以上のたんぱく質、ピタミン13種、ミネラル12種、食物繊維を含む(エネルギー、脂質、炭水化物、ナトリウムは3分の1を満たさない)
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