「デザート」の語源は英語ではなくフランス語
食事を一通り済ませた後、最後に食べる甘いデザート。この「デザート」という言葉は、英語の”dessert(デザート)”という、日本と同じ意味の単語に由来する。だが、語源であるかといえばそうではない。
元来の語源は、フランス語の”dessert(デセール)”。「出した(供した)ものを下げる」(desservir)という他動詞から派生した言葉だ。
フランス料理は前菜やスープ、魚料理……と色んな食事がコースで順番に出される。メインの肉料理まで食事を終えたら、それまで使った食器類やナイフ・フォークを下げ、その後に食べるお口直しのチーズや菓子類・フルーツ類のカラトリー(ナイフ・フォーク・スプーンなどの総称)をあらたに出す。
“dessert”はこのタイミングで出す菓子類を示した言葉となった。言葉の意味から考えれば、メイン料理の後に出るチーズやフルールのことも含めた言葉になるはずだが、現代では菓子類だけ示す言葉になっている。
“dessert”はスペイン・ドイツ・イタリアでも通じる?
仏料理における”dessert”は、一般的にアイスクリームやクレープ、スフレ、タルト、ムース、ケーキが該当する。
ちなみにイタリアでデザートを意味する言葉は”dolce(ドルチェ)”、スペイン語では”postre(ポストレ)”、ドイツ語では”Nachtisch(ナーハティッシュ)”と別のつづりの言葉が有名だが、”dessert”も通じる。イタリア語やスペイン語では「デッセール」、ドイツ語では「デッセーア」などと発音する。
参考文献:
「菓子検定 公式問題集&解説【3級】」(大阪あべの辻製菓専門学校/評論社)