年代問わず愛される「プリン・ア・ラ・モード(Pudding a la mode)」。元祖とされる神奈川県横浜市のホテルニューグランド(1927年開業)では、今なお伝統のスタイルを守って提供を続けている。
【関連写真】発祥メニューを堪能 ホテルニューグランドが3月11日〜4月30日に提供する「大人のお子様ランチ」イメージ1枚はこちら「プリン・ア・ラ・モード」は、接収時代、同ホテルに滞在していた甘いもの好きな米国人将校を喜ばせようと、当時のパティシエが提供したのが始まりとされている。プリンとバニラアイスに、リンゴやキウイなど色とりどりのフルーツを組み合わせ、当時前菜に使用していた脚付きの横長なガラスの器を使用し盛りつけた。
この洗練されたスタイルから、将校夫人たちから「プリン・ア・ラ・モード」と名付けられた。仏語の「ア・ラ・モード(à la mode)」は、「おしゃれな」、「流行の」「現代風の」などの意味を持つ。「プリン・ア・ラ・モード」の発祥については諸説あるが、誕生までの経緯がはっきりしている同ホテルを有力視する声が多い。
なお、日本発のデザートであることは確実視されている。現在は全国各地で提供され、食材や味覚に合わせて独自の「プリン・ア・ラ・モード」が提供されている。
同ホテルはまた、「シーフードドリア」と「スパゲッティ ナポリタン」の発祥でも知られる。
「シーフードドリア」は初代総料理長サリー・ワイルさんが考案。滞在していたお客様から「体調が良くないので、何かのど越しの良いものを」という要望を受け、即興で創作した一皿。バターライスに海老のクリーム煮を乗せ、グラタンソースにチーズをかけてオーブンで焼き提供したところ好評となり、名物料理の1つとなる。弟子たちにより他のホテルやレストランへ広まり、全国の洋食の定番料理となった。
「スパゲッティ ナポリタン」は2代目総料理長・入江茂忠さんがアレンジして生み出した。戦後、ホテルは米軍による占領が開始され、1952年までの間GHQ将校の宿舎として使用されていた。米兵たちは軍用食であったスパゲッティを茹で、塩、胡椒、トマトケチャップで味付けし食べおり、そのことをヒントに入江さんが「ホテルで提供するに相応しいスパゲッティ料理を作ろう」と、オリジナルソースを完成させて提供したのがホテルニューグランドの“スパゲッティ ナポリタン”です。ニンニクと玉葱の微塵切りを飴色になるまでよく炒め、生のトマト、水煮のトマト、トマトペーストを加え、 ローリエとオリーブオイルを入れ作ったソースは、トマト本来の旨味を生かした風味豊かな味わいが特徴。
【ホテルニューグランド】
住所:神奈川県横浜市中区山下町10
電話:045-681-1841