群馬県みどり市:元・料亭板前の店主が作るパウンドケーキ揃う「至高の焼き菓子 福」”自家製キムチ味”など意外な組み合わせも提供

「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」1本・税込み2,700円、1カット税込み250円群馬県
「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」1本・税込み2,700円、1カット税込み250円
鮮やかなオレンジが印象的な「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」
鮮やかなオレンジが印象的な「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」

群馬県みどり市発の焼き菓子店「至高の焼き菓子 福」は、元板前の店主・星野光輝さんが営んでおり、意外な組み合わせのパウンドケーキやアレルギーに特化したチーズケーキ風スイーツ、クッキーを販売している。今回は、同店の各種スイーツなどについて話をうかがった。

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和食材を取り入れたケーキ
アレルギーに特化した「チーズケーキ風スイーツ」と和食材を生かしたパウンドケーキ「やさいケイク」

同店は、星野さんが両親の蕎麦屋を受け継ぎ、2022年秋から本格的に始動。地元の和食材を取り入れた焼き菓子を作っている。

両親が営んでいた蕎麦屋「そば処 ふくおか」から一文字譲り受け、食べる人が”口福”になってほしいとの思いから、店名に「福」を入れた。さらに、3年前に迷子から保護した猫「福ちゃん」もおり、星野家にはたくさんの「福」が集っている。

「チーズケーキ風スイーツ」1本・税込み4,860円
「チーズケーキ風スイーツ」1本・税込み4,860円

通年販売の「チーズケーキ風スイーツ」は、グルテンフリー・動物性食品不使用・特定8品目のアレルギーに対応した一品。アレルギーを持っている人や妊婦さんでも安心して食べられるように、主原料は豆腐である。豆腐の他にも、地元のお米屋の米粉や、星野さんの先輩が営む酒造の酒かすと麹米を採用。

中でも酒かすは「黒檜(くろび)」というお酒から取れたもので、遠心分離絞りという洗濯機の脱水のような方法で絞りだしているためお酒に無駄なストレスがかからない。そのため酒かすも、スーパーに売っているようなギュッと固まった状態にならず、ヨーグルトのように柔らかい。

コクを出すために群馬県新田町の名産の山芋も使用。ケーキの土台はせんべいを主役に、植物性の発酵豆乳マーガリンと米粉で固めた。一般的なチーズケーキと比べて、かなり土台が少ないためメイン部分をたくさん食べられるようで満足感もある。実食すると、豆腐の味わいと食感がありつつ、喉にまとわりつかない軽やかさ、レモン果汁でさっぱりして食べやすい。

取材中、初めて作った同スイーツを見せてもらったが、ベイクドチーズケーキかと思うほどにこんがり仕上がっていた。約1年間の試行錯誤を繰り返して現在の形になったという。

思い入れのある金沢金箔が映えるシンプルなビジュアル
思い入れのある金沢金箔が映えるシンプルなビジュアル

また同スイーツには、「板前×上質×スイーツ」というコンセプトがある。王道のチーズケーキに加賀産の金箔をあしらい、洗練されたビジュアルに仕上げた。

今回取材した3種の「やさいケイク」
今回取材した3種の「やさいケイク」

四季ごとに販売しているパウンドケーキ「やさいケイク」は、和食材の意外な組み合わせが特徴だ。食材の組み合わせに対し、星野さんは「自分の食べたいものや、食べてみておいしいものを作ることを1番大事にしている。その次に意外性。商品名を見たりケーキを食べたお客さんをあっと驚かせて、意外と合うじゃんと思ってもらえたら嬉しい」と話す。同ケーキは星野さんの、和食材の新しい組み合わせを知ってもらいたいという思いも込められた商品だ。

全品に必ず入れているのは、キビ砂糖。おつまみ系のケイク・サレでも少量入れているという。驚いたのは今まで作ってきたパウンドケーキは約50種類にのぼるが、試行錯誤している中で「この組み合わせは違うな」と言って販売しなかったものは1つもないということ。分量を間違えて上手くいかないことはあるが、組み合わせ自体は失敗しない。板前時代に培った感性で、100個が3時間で完売する人気スイーツに昇華する。

「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」1本・税込み2,700円、1カット税込み250円
「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」1本・税込み2,700円、1カット税込み250円

「オレンジとエチオピア珈琲のケイク」は、ケーキ1本に対して丸ごと2個のオレンジと上面にそのまま乗った珈琲豆が印象的な一品。珈琲は上質なものを選んでおり、今回はかなり気に入っているというエチオピアを使用。エチオピア珈琲にすることで、ケーキに入れたりローストしても香りが飛ばずに保たれる。オレンジは、オレンジ色の皮のみをすりおろし、果実を北海道産の無塩バターで軽くソテー、ケーキに混ぜ込むタイミングですり下ろした皮も合わせる。バターでソテーするときに少しだけリキュールを垂らすのもポイントだ。

実食すると、オレンジのフレッシュな食感と味わいがガツンと届くので、オレンジ好きにはたまらない。果実のツブツブ食感も残っており、ほんのりピューレのような苦みが感じられる。

珈琲豆はケーキに砕いて練り込まれているものと、上面のシュガーコーティングの上に1粒そのままトッピングした2種類を楽しめる。ひと口目で珈琲がフワッと香り、珈琲豆はゆっくり確実に、ムギュッと噛むようなイメージだ。ケーキの食感はしっとり、ふんわり。オレンジと珈琲の割合は6対4といった感じである。

「自家農園白菜キムチと韓国のりのケイク・サレ」1本・税込み2,700円、1カット・税込み250円
「自家農園白菜キムチと韓国のりのケイク・サレ」1本・税込み2,700円、1カット・税込み250円

「自家農園白菜キムチと韓国のりのケイク・サレ」は、しっとりとした生地の中に白菜のシャキシャキ感が残り、小学生でも食べられる程度の辛さを持つ一品。実食前は「キムチだから」と身がまえていたが、想像以上に具材と生地の甘みを感じられて食べやすい。国産キムチの味わいがしっかりありながら、辛味はほんの少しピリッとする程度。断面を見るとキムチの具材と韓国のり、群馬県産の長ネギがぎっしり詰まっている。さらにパウンドケーキには珍しく、群馬県産の豚バラ肉も忍ばせている。

今回実食した3種類の中でも、筆者は具材のぎっしり感やキムチの味わいと甘さのバランスが良く、最も気に入った。1本のうち半分はペロッと食べてしまいそうになる、やみつきの一品だ。

「群馬県産”紅玉”のスパイス・ロッソ」1本・税込み2,800円、1カット・税込み250円
「群馬県産”紅玉”のスパイス・ロッソ」1本・税込み2,800円、1カット・税込み250円

「群馬県産”紅玉”のスパイス・ロッソ」は、群馬県沼田市のリンゴとクリームチーズがゴロッと入った一品。中華のハッカクにも少し似ており、スパイスがほんのり香る。アジアンテイスト寄りだが強すぎることもないので、癖の強い味わいが苦手な人でも食べやすい。リンゴのシャキシャキ感とクリームチーズの滑らかさで、食感の違いも楽しめる。全体的に各食材の主張が強すぎず調和している印象だ。

なお同店のパウンドケーキは、常温および解凍後は消費期限5日間、冷凍は1ヵ月間保存可能。

また、星野さんは時期が多少過ぎてもお客さんから声がかかればその商品を焼いてくれるなど、暖かく柔らかな人柄であふれている。また、アレルギーに特化した「チーズケーキ風スイーツ」の第2弾として、チョコレートを使わない「ガトーショコラ風スイーツ」が年明け頃に通年商品として登場する予定だ。

【至高の焼き菓子 福】
出店:マルシェ出店(群馬県みどり市、東京・有楽町)
お取り寄せ:公式インスタグラム・公式ラインよりメッセージ
※他販売方法は、要問い合わせ。

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