神奈川県・川崎区にある「洋菓子 シブヤ」は、昭和30年より続く地元の洋菓子店。創業当時からの味わいを守り続け、小さな子どもからお年寄りまで「ここのケーキが食べたい」と訪れる。さらにカットケーキはほとんど500円未満とお手頃価格だ。今回はそんな同店の人気商品やこだわり、創業当時から守り続けているポイントを店主の渋谷茂さんにうかがった。
【関連写真】「洋菓子 シブヤ」スイーツの他イメージ8枚はこちら同店は川崎駅より徒歩17分、川崎市立川崎病院の真正面の立地にある。駐車場は入り口のすぐ横にあり、車1台と自転車、バイクが少し停められるくらいの広さだ。訪れるのは地元の人がほとんどのため徒歩か自転車で、最寄りの川崎駅から歩いてくる人はかなり少ないという。客層は男女比と年齢層ともにバランス良く、9割がテイクアウト。最も混みあう時間はお昼ごろと17時過ぎである。
創業から守り続けているポイントは、ケーキの主役であるスポンジ。とにかく柔らかく、さっぱりとした口当たりが特徴だ。しっとりフワフワに仕上げており、まるでシフォンケーキのような食感である。中でも「スペシャルショートケーキ」は、生クリームと一緒にすぐ飲み込めるのではと思うほどの柔らかさ。バニラビーンズを加えた甘さ控えめの生クリームとスポンジ生地の優しい味わいが引き立っている。しつこさがないので、全世代で一緒に楽しめる。こだわりのスポンジについて店主の渋谷さんはこう話す。
「うちのスポンジはとにかく柔らかい。子どもにも好評で、ここのスポンジが食べたいからとデコレーションケーキなどを買ってくれる」
人気商品は「サバラン」や「ミルフィーユ」、「スペシャルショートケーキ」、チョコレートケーキ2種。これらの人気商品は夕方ごろには完売する。実際に14時は種類豊富なケーキが並んでいたが、16時前にもなると一部商品が完売していたり残り2個程度になっていた。
「サバラン」はブリオッシュ生地をブランデーとラム酒、シロップを合わせたものに浸したフランスの伝統菓子。一般的にはオレンジピールを乗せるが、無い方がお客さんの反応も良かったため同店ではあえて乗せずに販売している。お酒感はしっかりありつつも、喉にカッと来ないので全てのパーツを味わえる。
チョコレートケーキではロールケーキのような見た目が特徴的で、厳選したチョコレート3種をブレンドしたガナッシュを使用した「ガトーショコラ」、中沢乳業の生チョコクリームと生クリームを合わせて、スポンジでサンドした「ルーショコラ」の2種が人気。実食した「ガトーショコラ」はしっとり柔らかい生地で、ガナッシュの濃厚さがアクセントになっている。
「ミルフィーユ」はパイ生地を粉から、カスタードクリームも1から作っているこだわりの一品。パイ生地本来の甘さと風味が感じられ、甘すぎないカスタードクリームと好相性。トップにドンと乗っているイチゴの酸味で、最後まで飽きずに食べられる。もう1つ買えば良かったと思うほどくどさがなくて、パクパクと食べ終わってしまった。
モンブランは国産の紫芋クリームを絞った「紫芋モンブラン」や「和栗のモンブラン」、黄色が印象的な「昔ながらのモンブラン」の3種類。スポンジの上にカスタードクリームとモンブランクリーム、トップには栗の甘露煮を乗せている。今回実食したのは「昔ながらのモンブラン」。ブレンドしているモンブランペーストは栗の風味をしっかり感じられ、カスタードクリームと合わせることでより滑らかな口当たりになっている。最近のモンブランはタルト生地を土台にするものが多いため、食感の違いや懐かしくほっとする味わいを楽しめる。
その他、3営業日前までの予約でイラストケーキも販売。店主である渋谷さんの奥さんが描いており、人物やペットの似顔絵、子どものお絵描きの模写などに対応している。なお、アニメのキャラクターなど著作権に関わるものは不可。
同店のケーキは、店舗とデリバリーサービスの「メニュー(menu)」にて購入できる。店内にはイートインあり。現在、ホームページでの注文は休止している代わりに直接電話にて受け付けている。
なお、各商品の価格は2025年1月現在。
【洋菓子 シブヤ】
住所:〒210-0838 神奈川県川崎市川崎区境町3‐4
時間:9時30分~20時、日曜日のみ12時~18時
支払:店舗・現金とキャッシュレス、電話受付の配達・代引き
定休日:第5日曜日
電話:044‐222‐2263
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