70年以上愛され続ける東京・学芸大学駅そばの老舗洋菓子店「マッターホーン」”幻”と呼ばれる予約必須のバウムクーヘンや名物ケーキ「ダミエ」を実食

マッターホーン「バウムクーヘン丸型」イメージ東京都
マッターホーン「バウムクーヘン丸型」イメージ
マッターホーン「バウムクーヘン丸型」イメージ
「マッターホーン」の「バウムクーヘン丸型」税込み2,200円

東京都目黒区の東急東横線・学芸大学駅そばにある老舗洋菓子店「マッターホーン(MATTERHORN)」。店の前はいつも甘い香りが漂い、近くを通るたびに幸せな気分に。今回は”幻”とまで言われる「バウムクーヘン丸型」や、創業当時から愛される代表的ケーキ「ダミエ」などを紹介する。

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「マッターホーン」外観イメージ。ピンクの丸い縦長看板が目印。

1952年に創業した同店は、学芸大学駅を降りて線路沿いを歩くと見つかる。長く地元で愛され続け、どんなに店が繁盛しても1店舗主義を貫いている。

ズラリと並んだショーケースのケーキは、1つひとつが宝石のよう。何度か立ち寄っているが、どの時間帯も途切れることなく来店客で賑わっている。

「マッターホーン」内観イメージ

製造から販売まで商品を一貫して管理し、職人が一つひとつ丁寧に作り上げる自社工場完備の洋菓子店。この体制は都内でも少ないのだとか。

「ショートケーキ」税込み450円

創業以来変わらぬレシピを貫いているのが「ショートケーキ」と看板商品の「ダミエ」。プライスカードを見てみると、ホールケーキから焼き菓子まで、他のケーキ店と比べると比較的価格が控えめなのも特徴。足を運んでくれた人々に色々なケーキやお菓子を気軽に楽しんでほしい、そんな思いが感じ取れる。

「マッターホーン」喫茶室イメージ

喫茶室も併設されており、ショーケースの中のケーキを食べられる。定番の人気商品から喫茶店だけで展開する季節限定メニューまでさまざまなケーキやスイーツ、ドリンクを楽しめる。また、ゴールデンウィーク後に毎年販売される夏季限定の「モカソフト」も人気が高い。

店内はマッターホーンのラッピングペーパーでおなじみの鈴木信太朗画伯の絵画やシャンデリアが飾られ、クラシカルで上品な雰囲気。平日にもかかわらず12時オープンと同時に、瞬く間に席が埋まっていった。

「ダミエ」税込み350円

今回喫茶室でいただいたのは、市松模様のモザイクが美しい「ダミエ」。プレーンとチョコレートのスポンジケーキのつなぎとしてバタークリームが塗り込まれている。創業当時から変わらぬ味で作り続けている同店の代表的なバターケーキだ。

見た目にも華やかなケーキだが、こっくり奥深いミルキーなバタークリームとフワフワのスポンジケーキのコントラストも見事。また食べたくなる飽きの来ない味わい。「ケーキといえば生クリーム」という時代に育った筆者はバターケーキを食べ慣れない世代ではあるものの、どこか懐かしさを感じる不思議な後味だ。

ちなみに、「ダミエ」は名入れが可能だ。

さらにこの日は、事前予約した人気の「バウムクーヘン丸型」を持ち帰った。

同バウムクーヘンは「予約なしで購入できる店頭販売品」ではあるものの、予約数に応じて販売個数が毎日異なり、すぐ売り切れる。売り切れが日常茶飯事でお目にかかれるタイミングが少ないため、巷では”幻のバウムクーヘン”とも呼ばれている。

「バウムクーヘン丸型」税込み2,200円

薄くスライスされた個包装とホールのバウムクーヘンとホールのバウムクーヘンを選べるが、今回はホールをチョイス。1週間前に予約注文し、事前決済を経てなんとか受け取れたが、受け取れるタイミングは繁忙期など時期によって変わるという。

好きな厚さにカットし、念願のバウムクーヘンをいざ実食。他のバウムクーヘンと圧倒的に違うと感じるのは、”甘さ控えめ”という点。素朴でありつつ、リッチな味が後を引く。食感はふわふわというよりキメが細かくてしっかり。同店らしいシンプルで優しい味わいが口いっぱいに広がっていく。

なお、「ダミエ」同様、同バウムクーヘンも名入れが可能。ホールのみオンライン注文が可能。配送は、注文を受けて約1ヵ月後から数えて、20日間のみ可能(注文日からおよそ30〜50日後の期間に配送可能)。

「バウムクーヘン丸型」イメージ
「バウムクーヘン丸型」名入れのイメージ

同店のスイーツは、いずれも保存料を使わず厳選されたこだわり素材を使い、自社工場で手作りしている。大量販売や長期保存が難しいが(例えばバウムクーヘンの消費期限は4日間)、それだけ丁寧にこだわりを持っているのがうかがえる。

また食べてみたい、大切な人に贈りたいと思わせてくれるが故に人気が出るのも納得。なかなか買えないけれど、だからこそ、手に入ったら至福のひとときに。地元に愛される街のケーキ屋さんを体現した名店として、いつまでも変わらないでいて欲しい。

【マッターホーン】
住所:東京都目黒区鷹番3-5-1
時間:
・ケーキショップ:9時~18時30分
・喫茶室:12時~17時
定休日:火曜(祝祭日の場合は営業)
電話:03-3716-3311

※なお、いずれの2025年3月現在の内容。価格や配送条件などは変更される場合あり。

【取材・撮影・文:桐生奈奈子】

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