
北海道発スイーツブランドを展開する北海道コンフェクトグループは11月19日、大丸東京店の1階に、とろけるお菓子の専門店「フォンダン(FONDAN)」を常設店舗としてオープンする。今回、新ブランドの誕生に伴い、メディア向けお披露目会が行われた。
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「フォンダン(FONDAN)」は、「RAMENCLUB」に続く東京発ブランドの第2弾。自家製バターを使った菓子商品を展開する。ブランド名は、仏語で「溶ける」を意味する「FONDANT」に由来する造語。
牛乳は北海道日高町で放牧飼育から搾乳までを自社で行い、卵は北海道新冠町で6,000羽、札幌市で1,000羽の平飼いの鶏から採卵している。よく耳にする放牧牛乳だが、完全な放牧を実現しているのは全国で数パーセントのみ。本来、なかなか入手できない「放牧牛の生乳」だが、思いついたらすぐに試作できるのが同社の強み。とはいえ、生バター自体は1ヵ月間で形になったものの、商品化するまでには約1年間かかったという。
また、飼育方法も特徴的で、自社製造のお菓子のクズを鶏に与え、鶏の糞を牛の牧場で肥料として活用するなど、資源をうまく循環させている。これを続けることで、自然と牛が食べる草の状態がよくなったり、卵のコクが約20パーセント向上したりするという。
そもそも生バターは仏発祥で、搾乳からバター化するまで非加熱で製造し、バター本来の味わいが余韻として強く続くことが特徴。しかし、日本では乳製品の製造工程において加熱殺菌が義務付けられているため、同社は保健所で定められている63度で30分以上の低温殺菌を行い、生乳にできるだけ手を加えない独自製法を開発した。これにより、絞りたての生乳が持つ柔らかな風味と繊細さを守りつつ、豊かなコクの余韻が長く楽しめる生バターを実現した。

試食では、小さなスプーン1杯分の生バターが提供された。
このバターはお菓子用として開発したため無塩だ。先味はスッキリとしており、飲み込んだ瞬間にバターならではの風味が一気に押し寄せた。飲み込んでから数分間は、深いコクの余韻がはっきりと残る。バターなどの油で胸焼けしやすい筆者だが、全くそんな症状は出ず、ずっと味わっていたい心地よさ。また、バターだけを口にして、こんなにさっぱりとした感覚は初めてだ。

メイン商品の「フォンダンサンド(FONDANSAND)」は生バターキャラメルを薄焼きのラングドシャで包んだ、UFOのような形のサンド菓子。男性なら大きな一口、女性なら大きな一口~二口といったサイズ感。ラングドシャの軽やかさとザクザクする食感、深いコクとほろ苦い生バターキャラメルがたまらない。ブラックコーヒーやブレンドコーヒーとよく合う。賞味期限は、店頭で購入してから、常温で約15日。
また、生バターの風味を損なわないよう、キャラメルと混ぜ合わせるタイミングにも工夫が。キャラメルは銅鍋に素材を入れ、直火で加熱して製造をするが、生バターだけは火を止めた余熱のタイミングで投入しているという。

「フォンダンガレット」は”ザクホロ”食感のガレットに、なめらかな生バターグラサージュをかけた一品。甘く香ばしいガレット生地となめらかな口溶けの生バターグラサージュが重なり、クセになる味わいだ。「フォンダンサンド」よりもほんの少し大きく、生地の厚さは1センチほど。グラサージュは生バターをたっぷりと入れ、トロトロ状態にしている。こちらも、最後の粗熱を取るタイミングで生バターを溶かし入れる。個包装の中は、生バターグラサージュが崩れないよう、保護シートが付いている。賞味期限は常温で約6日間。
代表取締役の長沼真太郎さんがおすすめする食べ方は、あえて上下を逆にして、グラサージュのとろりとした口当たりが舌に触れるようにすること。同席したバターマニアの長尾絢乃さんは「ダイレクトに、舌にバターの風味がゆっくり溶けていく感じ。バターの風味をしっかり楽しめておいしかったです」と話した。









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