東京東横線の代官山駅より、歩いて5分圏内にある「代官山パンケーキカフェ クローバーズ」。フレンチパンケーキで知られる店だ。
【関連写真】「代官山パンケーキカフェ クローバーズ」のパンケーキ「キャラメルバナナ」他イメージ2枚はこちら外階段を上がって2階の店内に入ると、女性客が数名。そして、店主とおぼしきダンディーなおじ様。フレンチ出身だというおじ様の表情は凛々しく、眼光は鋭く感じた。ちょっと近寄りがたい雰囲気。もしかしたら、過去の厳しい料理修行を経て、自分にもお客にも厳しい方なのかもしれないと勝手に推測する。幸い、席には待たずにすぐ座ることができた。
同店はパンケーキのメニューが豊富で、プレーン以外に「ストロベリーデコレ」や「フルーツデコレ」、「黒蜜抹茶デコレ」、「小倉バニラアイスデコレ」などが揃う。この日は「キャラメルバナナ」をお願いした。なお、いずれも原材料費に合わせてか、価格がメニューごとに細かく異なる。
注文すると、おじ様がキッチンへ入る。調理器具やフライパンを動かす音が客席に響いてくる。カタカタ、ゴトゴト。生地を焼く香ばしい匂いも漂ってくる。注文を受けてからの手作りで、のんびりした時間が流れる。牛丼や蕎麦みたく3分でかき込んで店をすぐ出たい、という方には向かない。そもそもそんなに急いでパンケーキを食べる人もいないと思うが、それはそれとして。
待つこと10分前後。注文した「キャラメルバナナ」が到着。2枚重ねた生地の上にはブリュレ（焦がす）されたバナナ、たっぷりのクリーム。ちょっと皿を動かすと、生クリームが滑って動く。すくって一口食べてみると……軽い。ふわふわ羽毛のごとく軽いクリームで、いくらでも食べられそう。
フォークで切りながら生地も口に運ぶと……こちらはモチモチ。表面がサクサクとして、中はモチモチ。いくぶんホットケーキに近い食べ心地だ。クリームとブリュレしたバナナ、生地を合わせて食べると進む、進む。あっという間に食べ終わってしまった。見た目のボリュームと裏腹に軽やかな食べごたえで、もう一皿、いやもう二皿行けそう。
このパンケーキ、丁寧で素敵な仕事ですねと視線を送ると、店主は窓際の女性客に寒くないかと声をかけている。あれ？ 厳しい料理修行を経たんじゃないの？
なお、同店のパンケーキは、追加トッピング可能。ホイップクリーム、アイス（バニラ・抹茶）、小倉などがそれぞれ税込み220円。また、ハンバーグやグラタンなど食事メニューも揃う。パンケーキとセットで頼むことも可能だ。
同パンケーキに夢中になっている間にも、新しい客がやって来る。食べきっておじ様にお会計をお願いした。おいしかったですと伝えると、ありがとうございますと一気に顔を崩してニコッと笑ってくださった。屈託のない笑顔というやつだ。ここで初めて、あっ、このおじ様は心根の優しい方なんだ、と悟る。凛々しい表情とは裏腹の笑顔。ギャップ萌えはズルい。ズルいですぞ。
【代官山パンケーキカフェ クローバーズ】
住所：〒150-0034 東京都渋谷区代官山町18-8 堀井ビル・2階
時間：11時〜21時
定休日：水曜日
電話：03-3770-2733
