【コラム】スペイン国境付近のリゾート地へ ガトーバスクを求めて

コラム

日本国内のパティスリー、つまりケーキ屋さんで「ヴァンドゥーズ(販売スタッフ)」として人生の半分以上を費やしてきた私は、大のスイーツ好き。1年間休職し、フランスでヴァンドゥーズとして働きつつ、さまざまな地方菓子を食べてきました。

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皆さまは、バスク地方をご存知ですか?

日本でも人気の高いバスクチーズケーキで、一躍有名になった地方です。バスク地方は、フランス南西部とスペイン北西部にまたがるように位置しています。実は、この地方菓子である「ガトーバスク」というケーキが大好きな私。このケーキを食べるためだけに、バスク地方へと足を運んで参りました。

ガトーバスクとは、アーモンドパウダーが入ったザクザクサブレ生地の中にカスタードクリームやチェリーを入れ、焼き込んだ地方菓子です。昔はミサの後に家族で食べるお菓子でしたが、今では朝食、食後のデザートやおやつにと、さまざまな場面で食べられているようです。

フランスとスペイン両国にまたがるバスク地方。今回はフランス側のみの訪問ではありましたが、いくつかの街を訪れ、ガトーバスク巡りをしました。中でも印象的だったのは、突き抜けるような青い海がまぶしい、ビアリッツというリゾート地にある老舗チョコレート専門店「Henriet(アンリエ)」。チョコレート専門店ならではの、チョコレート味のガトーバスクが食べられるというのでやって来ました。

通りに面したショーウィンドウには、チョコレート専門店であるにも関わらず、様々なケーキが並んでいました。そこに、ガトーバスクを発見。大きな鉄板で焼いたガトーバスクが四角くカットされており、断面からは艶やかなチョコレートカスタードクリームが見えます。色とりどりのケーキから選んだのは、もちろんチョコレート味のガトーバスク。

でも、折角なので、黄色がまぶしいパッションフルーツ味のエクレアも購入しました。スタッフの方が注文したケーキを、青い海にぴったりの鮮やかなブルーの箱に詰めてくれました。

店を出ると海辺へ行き、サーフィンを楽しむ人たちを眺めながら、まずは念願のガトーバスクを頂きました。ザクッとした食感の香り豊かなチョコレートサブレは厚みがあり、サブレの中にはチョコレートカスタードクリームがたっぷりで、食べ応えも十分。チョコレート専門店で買うなら、チョコレート味が間違いないとうなりながら頬張りました。

続いて頂いたのは、パッションフルーツ味のエクレア。実は、チョコレート味以外は、正直どうなのかと思っていました。ところが、一口食べたら目が覚めるような爽やかな味に、思わず「おっ!」と声を出してしまいました。エクレアの上にかけられたフォンダン(砂糖を煮詰めたもの)も爽やかなパッションフルーツの味。美味しいのは、チョコレートだけではなかったのです。ケーキを食べ、海を眺めながら、ここまでやって来て良かった……と充実感に満たされたのでした。

【Henriet】
住所:Place Georges Clemenceau 64200 Biarritz
電話: +33 (0)5 59 24 24 15

【コラム&イラスト:Miko】
都内近郊のパティスリーでヴァンドゥーズとして働きながら、フランス語を猛勉強すること約7年。1年間休職し、フランスはリヨンのショコラトリーでヴァンドゥーズとして働いた他、アルザスでヴァンダンジュ(葡萄摘みの仕事)や、ノルマンディー地方の農家で豚の世話も。フランス中の地方菓子を食べ歩いた食いしん坊。現在はフランス人の夫と子供たちと日本で暮らす、現役ヴァンドゥーズ。イラストも勉強中!

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