【考察】三角チョコパイはなぜ毎年人気? 伊藤沙莉のCMが強めた「秋が来た」の記憶

三角チョコパイ「でこぼこ収穫祭」篇のビジュアルコラム
三角チョコパイ「でこぼこ収穫祭」篇のビジュアル
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 マクドナルドの「三角チョコパイ」は、毎年新作を投入しながらも「今年も帰ってきた」と感じさせる、少し特殊な商品である。2007年の初登場から販売を重ね、現在では秋冬を代表する定番スイーツの1つとなった。新フレーバーが発表されるだけでなく、伊藤沙莉が出演するテレビCMも毎年注目を集める。なぜ、商品とCMの双方がこれほど強いのだろうか。

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 商品の強みは、まず「変わらない安心感」と「新しさ」を同時に提供している点にある。定番の「三角チョコパイ 黒」という軸を残しながら、毎年異なる期間限定フレーバーを投入する。2024年には「おいもとキャラメル」、2025年には「いちごミルク味」、そして今年は「クッキー&クリーム いちご味」が登場した。「黒」を食べたい人も、新作を試したい人も参加できる仕組みだ。

 さらに、サクサクしたパイ生地と温かくなめらかなクリームという構造自体が、気温が下がる季節と相性がいい。期間限定であるため、「寒くなったから食べよう」という季節行動にもつながりやすい。単に秋に発売するのではなく、三角チョコパイそのものが秋の到来を知らせる商品になりつつある。

 そして、この「季節の記憶」を強めているのがCMである。近年のCMでは伊藤さんを中心に据えつつ、King Gnuの井口理さん、ENHYPENのNI-KIさん、HANAのNAOKOさんやCHIKAさんら、その時々で異なる共演者を迎えてきた。2026年にはHANAのMOMOKAさんが初出演する。商品と同じく、CMも「伊藤沙莉はいる。しかし今年は何かが違う」という構造になっている。

 特に効果的なのが、おなじみの「三角チョコパイの歌」である。出演者や振り付けが変わっても、曲を聞けば三角チョコパイだとすぐ分かる。この繰り返しによって、CMは商品の説明というより、毎年やってくる「秋の風物詩のお知らせ」のような役割を持つようになった。

 伊藤さんの存在も重要だ。共演者が毎年変わればCMは新鮮になる一方、全員を入れ替えれば前年とのつながりは薄れる。そこで伊藤さんを継続して起用することでシリーズとしての連続性を保ち、その隣に旬の人物を配置する。長寿番組のレギュラーとゲストに近い構造だ。

 三角チョコパイが強い理由は、毎年まったく新しいものを作っているからではない。むしろ「いつもの季節、いつもの商品、いつもの人」を残したまま、一部分だけを新しくしているからではないか。消費者にとって三角チョコパイは、もはや1つの期間限定商品ではなく、「今年もこの季節が来た」と確認するための存在になっているのである。

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