【未来を見越す】まだイチゴが揃う前からケーキは売れる クリスマス商品の“先読み販売”

「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」税込み21,600円(資生堂パーラー クールバッグ付き)コラム
「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」税込み21,600円(資生堂パーラー クールバッグ付き)
「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」税込み21,600円(資生堂パーラー クールバッグ付き)
「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」税込み21,600円(資生堂パーラー クールバッグ付き)

 2026年も、秋の早い段階からクリスマスケーキの予約が相次いで始まっている。資生堂パーラー 銀座本店ショップも2026年10月5日から予約を開始する。中でも「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」は、デコレーションからジュレ、クリーム、サンドまで、約55個分ものイチゴを使う豪華な一品だ。

【関連記事】東京・銀座:「資生堂パーラー」苺約55個分を使う豪華ココットなどクリスマスケーキ3種が登場 10月5日11時より予約受付開始

 こうした商品は、資生堂パーラーだけではない。リーガロイヤルホテル広島は、あまおうを30粒使う「フレーズ ロワイヤル(Fraises Royale)」を20台限定で販売。東京ステーションホテルも、国産イチゴを30粒以上使う「クリスマス ショートケーキ」の予約を10月1日から受け付ける。

リーガロイヤルホテル広島「フレーズ ロワイヤル(Fraises Royale)」税込み14,000円
リーガロイヤルホテル広島「フレーズ ロワイヤル(Fraises Royale)」税込み14,000円

 いずれも12月のクリスマスに向け、秋の段階から数十粒単位のイチゴを使う商品を打ち出している。大量の生鮮果実を使うケーキであっても、数ヵ月先の調達や需要を見越して商品設計と販売計画を組むことは、今年のクリスマス商戦でも複数のホテルや洋菓子店で見られる。

 しかし、予約開始はクリスマス本番の2ヵ月以上前である。この時点で、12月に使う大量のイチゴが厨房に用意されているわけではない。それでも店は価格を決め、販売数を設定し、商品として売り始める。

 考えてみれば、これは少し不思議な商売だ。

 イチゴは工業製品ではない。天候や気温などによって生育は変わる。一方、現在はハウス栽培が主流となり、お歳暮やクリスマス需要に合わせて11月頃から出荷できる生産体制が作られている。クリスマスケーキは、そうした農業側の生産計画と、洋菓子店側の販売計画がつながることで成り立っている。

 しかも店が予測しなければならないのは、イチゴだけではない。生クリームやチョコレートなどの原材料、箱や飾り、冷蔵スペース、そして短期間に大量のケーキを仕上げる製造人員まで必要になる。

東京ステーションホテル「クリスマス ショートケーキ」イメージ
東京ステーションホテル「クリスマス ショートケーキ」イメージ

 つまり秋に売っているのは、厳密には「すでに完成したケーキ」ではない。12月に必要になる材料と人員を見越して組み立てた、未来の製造計画とも言える。

 そこで重要になるのが予約販売だ。

 予約が入れば、「何台売れるか」という不確定な需要が少しずつ確定する。100台作って50台余るかもしれない状態より、あらかじめ50台の注文が見えている方が、材料も人員も準備しやすい。数量限定という販売方法には、調達量や製造能力に合わせて販売数の上限をあらかじめ設定できる側面もある。

「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」税込み21,600円(資生堂パーラー クールバッグ付き)
「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ リュクス」税込み21,600円(資生堂パーラー クールバッグ付き)

 クリスマスケーキは華やかな季節商品だが、その裏側はかなりシビアな「予測商売」だと言える。

 まだ収穫されていないイチゴ、まだ泡立てられていない生クリーム、まだ組まれていない12月の製造現場。それらを数ヵ月先まで想定し、価格と数量を決めて先に注文を取る。そう考えると、秋から始まるクリスマスケーキ商戦は、洋菓子店による小さな“先読み販売”なのかもしれない。

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