
秋になると、スイーツ売り場で頻繁に見かける「和栗」と「イタリア栗」。どちらもモンブランに使われるため、単純に産地が違うだけと思われがちだ。しかし、実際には味わいや食感、適した加工方法にも違いがある。
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和栗は、主に日本栗を指す。一般的に大粒で水分が多く、加熱するとホクホクとした食感が出やすい。蒸したりゆでたりすることで、栗そのものの優しい甘みと風味を楽しみやすいのが特徴だ。日本伝統野菜推進協会も、日本栗について「大粒で水分が多い」とし、蒸し栗、焼き栗、和菓子などに適すると説明している。
その個性を生かすなら、栗きんとんや栗羊羹、甘露煮はもちろん、栗そのものを前面に押し出すモンブランとも相性がいい。砂糖や生クリームを大量に加えず、蒸した栗を裏ごしして仕上げれば、ホクホク感や自然な風味そのものを主役にできる。
一方、イタリアで広く栽培されるのはヨーロッパ栗。日本栗に比べて比較的小ぶりで果肉が締まり、粘りが少ないとされる。森永乳業はイタリア栗について「果肉がしまっている」、「粘り気が少ない」と説明し、大粒のものはマロングラッセの原料として使われるとしている。香りの良さも特徴で、茨城県の農産物情報サイトにて、イタリア出身の料理人ファビオさんが「イタリアの栗は香りがよく、日本の栗は甘さがある」とその違いを表現している。

だからこそイタリア栗は、砂糖を含ませるマロングラッセのほか、洋酒やバニラ、乳製品、チョコレートなどと組み合わせる洋菓子にも向く。モンブランでも、栗だけを味わわせるというより、クリームや洋酒と一体化させた濃厚な仕立てで力を発揮する。セブン-イレブンが展開する「イタリア栗の焼き栗モンブラン」がまさにその好例だろう。
日本で製菓材料として仕入れる場合、一般には和栗の方が高値になりやすい。例えば製菓の材料などを手がけるオンラインショップ「富澤商店」では、国産和栗ペーストは1kg換算4,860円なのに対し、イタリア産栗100%使用のペーストは同2,408円となっている(2026年9月確認)。加工方法や砂糖の有無など規格が異なるため単純比較はできないものの、国産栗は収穫や選別にも人手を要する。こうした生産・加工環境も、価格形成の背景の1つと考えられる。

和栗だから上、イタリア栗だから下、という話ではない。栗そのもののホクホクした味わいを生かす和栗と、香りや洋菓子との一体感を楽しみやすいイタリア栗。それぞれにすばらしい個性がある。モンブランを選ぶ際にも産地を少し意識して、両方の違いを楽しんでみてほしい。
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