
スイーツ業界では、定番商品のリニューアルが頻繁に行われている。クリームの配合を変更したり、生地の食感を改良したりと、企業は商品の完成度を高めようと努力を重ねる。しかし、その変化は消費者にどこまで伝わっているのだろうか。
【実食レポ】新クリーム猛プッシュ ファミマの「無限クリーム」使った新作&リニューアルスイーツ食べてみた
今年10月13日、ファミリーマートは8年ぶりにホイップクリームを刷新。「無限クリーム」と名付け、既存商品4品のリニューアルと新商品2品の投入を打ち出した。

新たなクリームは、濃厚な味わいと軽やかな口溶けの両立を目指したものだ。「クリームたっぷり!ダブルシュー」や「ファミマ・ザ・クレープ 生チョコ」などに採用し、スイーツ全体の品質向上を狙う。
しかし、ここに難しさがある。クリームの配合が変わったとしても、従来品と並べて食べ比べなければ、その違いを正確に認識することは容易ではない。消費者にとっては、以前から食べている商品と大きく変わらない印象になる可能性もある。
同様の取り組みは他社でも見られる。ローソンは2025年8月、累計販売数5億個超えの看板商品「プレミアムロールケーキ」をリニューアル。乳脂肪分の異なる2種類の北海道産生クリームをブレンドし、小麦粉や製法も見直した。さらに、税込み価格を227円から214円に引き下げている。

シャトレーゼも今年1月、「ダブルシュークリーム 北海道純生クリーム」を刷新。北海道産純生クリーム100%の使用を打ち出し、税抜き価格を120円から100円に引き下げた。
興味深いのは、両社とも味の改良だけでなく、価格という分かりやすい変化を加えている点だ。クリームの違いは実際に食べなければ分からないが、値下げは購入前から認識できる。

ファミリーマートも、リニューアルを伝えるために工夫している。新たなクリームに「無限クリーム」という名前を付けた他、新商品「ほぼクリームのケーキ」も投入。さらに「クリームたっぷり!ダブルシュー」では、発売から1週間限定でホイップクリームを通常規格より30%増量。味の変化に加え、名前や見た目、量などでも刷新を訴求している。
もっとも、リニューアルの成功は、消費者が違いに気付くかどうかだけでは測れない。仮に変更点を認識していなくても、以前より食べやすくなったと感じ、購入頻度が高まれば、企業にとっては成果につながる。
一方で、従来品の味を好んでいた消費者が離れる可能性もあり、必ずしも変更が歓迎されるとは限らない。
スイーツのリニューアルで難しいのは、商品を改良すること以上に、その価値を消費者に届けることなのかもしれない。企業が重ねた開発努力と、消費者が感じる変化の大きさは必ずしも一致しない。 だからこそ、品質向上だけでなく、改良した意味をどう伝えるかが大切だと言えるかもしれない。
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