
スイーツの魅力と言えば、甘さや香り、口溶けなどが思い浮かぶ。しかし、最近は食べる前に「触る」という行為そのものを楽しめる商品が登場している。味覚や視覚だけでなく、触覚まで商品の価値になる時代が訪れつつあるのかもしれない。
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その象徴的な一品が、セブン‐イレブンが10月13日から順次発売している「むにむにマシュ」だ。若い世代を中心に人気を集める玩具「スクイーズ」の弾力と、マシュマロの食感を融合させた新感覚のお菓子。ブタの顔をかたどった愛らしい見た目も特徴だ。
興味深いのは、食べる前に指で押し、その弾力を確かめられる点にある。実際にケーキニュース編集部が試したところ、ぷにぷにした独特の感触が印象的だった。さらに、ナイフを当てても簡単には切れないほどの強い弾力を備えていた。

従来のスイーツにも、もちもち、ぷるぷる、ふわふわといった食感は存在してきた。ただし、それらは主に口の中で味わうものだった。「むにむにマシュ」が提案するのは、食べる前から手指で感触を楽しむという新しい体験だ。
では、なぜ今、こうした商品が登場したのだろうか。
1つの背景として考えられるのが、SNSとの相性である。スイーツの魅力を写真や動画で伝える際、これまでは美しい断面や華やかな盛り付けが重要な要素だった。しかし、柔らかいものを指で押し、形が変わる様子を撮影すれば、静止画とは異なる面白さが生まれる。
画面越しに実際の感触は伝わらない。それでも、押した部分が変形したり、元に戻ったりする動きから、視聴者はその弾力を想像できる。むしろ、触れられないからこそ、自分でも確かめたいという好奇心を刺激する可能性がある。
もう1つ見逃せないのが、食品と玩具の境界を越える発想だ。スクイーズの楽しさを取り入れることで、従来のマシュマロとは異なる購入動機を生み出している。単純に甘いものが食べたいという欲求だけでなく、「どんな感触なのか試してみたい」という興味も購買につながり得る。
もっとも、触って楽しめるからといって、食品であることに変わりはない。衛生面への配慮は欠かせず、強い弾力を持つ商品では食べやすさにも注意が必要だ。特に小さな子どもなどが口にする際は、喉に詰まらせないよう気を付けたい。
今後、こうした触覚を重視した商品がスイーツ市場で定着するかは未知数だ。しかし、味や見た目に加え、食べるまでの過程にも価値を見いだす考え方は興味深い。
スイーツは、単に食べておいしいだけの存在ではなくなりつつある。見て楽しみ、触れて驚き、最後に味わう。その一連の体験を商品として設計することが、新たな差別化の手段になるのではないだろうか。
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