【物語を体験】映画の中のケーキを現実で食べる “架空の食べ物”が商品になるワケ

「スノーマンヴィクトリアケーキ」税込み900円コラム
「スノーマンヴィクトリアケーキ」税込み900円
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 東京都練馬区の「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 – メイキング・オブ・ハリー・ポッター」では、11月13日から冬限定イベント「マジカルウィンター」を開催。ホグワーツの大広間に並ぶケーキから着想を得た「スノーマンヴィクトリアケーキ」など、映画の世界観を表現したスイーツが登場する。

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 映画の中に登場する食べ物を、現実の世界で味わう。そんな体験が、スイーツの商品価値を広げている。単に人気作品とコラボレーションするだけではない。物語の世界に入り込んだような感覚を、食べることで楽しめる点が特徴だ。

「浮遊するキャンドルケーキ」税込み900円
「浮遊するキャンドルケーキ」税込み900円

 注目したいのは、キャラクターの顔や姿を商品に描くという、従来のコラボレーションとは異なる方向性だ。例えば「浮遊するキャンドルケーキ」は、大広間を彩る魔法のキャンドルをモチーフにしている。ロールケーキとホイップクリームでろうそくを表現し、イチゴなどを組み合わせた一品だ。

 つまり、物語に登場する空間や小道具を食べ物へと置き換えている。ファンにとっては、スクリーン越しに眺めていた魔法の世界が、自分の目の前に現れることになる。

 ここには、一般的なキャラクター商品とは異なる魅力がある。キャラクターを描いたケーキは、好きな人物の姿を楽しむことが中心になりやすい。一方、劇中の世界を再現した商品は、購入者自身が物語の登場人物になったような気分を味わえる。

 さらに、食べ物には映像だけでは伝えきれない要素がある。香りや甘み、舌触り、温度などだ。映画では想像するしかなかった味わいを、現実の体験として受け取れる。視覚だけで成立していた世界に、味覚という新しい入り口が加わるのである。

 もちろん、映像から着想した商品が、必ずしも劇中の料理を忠実に再現しているわけではない。そもそも、架空の世界に登場する食べ物には、味や製法が詳しく設定されていないものもある。だからこそ、菓子職人が独自の解釈を加えられる余地がある。作品の雰囲気を壊さず、味わいも成立させる。その両立が商品開発の腕の見せどころになりそうだ。

 こうした取り組みは、期間限定イベントとも相性がよい。鑑賞するだけでなく、現地でしか味わえない体験が加われば、施設へ足を運ぶ動機を増やせる。写真に収めたくなる造形も、来場者が思い出を残すきっかけになるだろう。

「パトローナスのパンケーキ」税込み1,500円
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 一方で、作品への思い入れだけに頼ることはできない。見た目が印象的でも、味や食感が期待を下回れば、満足度は高まらない。映画を知らない人にも、1つのスイーツとして魅力が伝わるかどうかが重要だ。

 映画の中の食べ物を現実の商品にする意味は、単なる再現や話題づくりにとどまらない。これまで観客だった人が、物語の世界を自分の五感で体験できるようになることだ。架空の食べ物が商品になる背景には、スイーツを「食べるもの」から「物語を体験するもの」へと広げる可能性がある。

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