
スターバックスが、日本初となる「スターバックス専用自動販売機」を9月中旬から全国で順次展開する。グリーンとブラックを基調に、側面には大きなサイレンロゴを配置。新商品を含む4種類のコーヒー飲料を販売する。一体なぜ、スターバックスは今、専用自販機を作るのか?
【考察】なぜスタバは新幹線ホームへの出店を急ぐのか? 「旅の始まり」をブランド価値に変える狙い
その狙いを考えるヒントになるのが、同社が進めている新幹線ホームへの出店だ。

スターバックスは2025年11月、新横浜駅の新幹線ホームに全国初の店舗を開業。客席を設けず、商品も絞り込んだテイクアウト専用店とした。さらに2027年には名古屋駅、京都駅の新幹線ホームにも順次出店する予定だ。
一見すると「新幹線ホーム」と「自販機」は全く異なる。しかし両者には、「客に長時間滞在してもらう必要がない」という大きな共通点がある。
従来のスターバックスといえば、コーヒーを飲みながら店内で過ごすカフェとしてのイメージが強かった。しかし新幹線ホーム店が取り込むのは、列車に乗る直前の数分間。自販機なら、さらに短い数十秒で購入できる。
つまりスターバックスは今、「店内で過ごす時間」だけでなく、移動や仕事、休憩といった生活の隙間へブランドを入り込ませようとしているのではないか。

実際、同社は2025年、日本国内で稼働する約210万台の自販機を「大きな成長機会」と位置付け、自販機限定商品を投入した。今回、商品だけでなく自販機そのものをスターバックス仕様にしたことで、その戦略をさらに一段進めた格好だ。
ポイントは、単に飲料を売るだけではないことだ。専用機にはサイレンロゴを大きく掲げ、「いつでも、どこでも、気軽にスターバックスを」というメッセージも表示する。店舗がなくても、そこにスターバックスの存在を作ることができる。
新幹線ホームなら「乗る前にスタバ」、自販機なら「通りがかりにスタバ」。共通しているのは、人々がすでにいる場所へ、スターバックス側から歩み寄っていることだ。
店舗を目的地にしてもらうだけではなく、日常の動線そのものを販売場所に変える。専用自販機の全国展開は、スターバックスが「カフェのブランド」から、あらゆる時間と場所で接触するコーヒーブランドになるための象徴的な動きなのかもしれない。
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