【最高峰の技術】クリスマスは“パティシエの作品展”? ケーキが1年で最も芸術的になる季節か

「タリーナ」イメージコラム
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「ラ・ポスト・デュ・ラ・フォレ」イメージ
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 日本中のクリスマスケーキの記事をチェックし続けていると、「これは本当にケーキなのか」と思わされる一品に出会うことがある。本、宝石箱、フクロウが暮らす森、そして列車。一部のホテルや店から、食べるのがもったいないと思うほど趣向を凝らしたクリスマスケーキが毎年登場する。

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「タリーナ」イメージ
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 例えば京王プラザホテルは、チョコレートで仕上げた本の中に2種類の味わいを詰めた一品を展開。同ホテルの「ラ・ポスト・デュ・ラ・フォレ」はさらに大胆だ。「森の奥の小さな郵便屋さん」をテーマに、切り株を模したポストを持ち上げると5種類のプチガトーが現れる。フクロウやどんぐりの細工まで添えられ、1台のケーキの中に小さな物語が作り込まれている。

「小田急オリジナル『明治記念館・菓乃実の杜』ロマンスカー・GSEクリスマスケーキ」イメージ
「小田急オリジナル『明治記念館・菓乃実の杜』ロマンスカー・GSEクリスマスケーキ」イメージ

 列車を表現するケーキもある。小田急百貨店新宿店では、ロマンスカー・GSEをかたどったチョコレートをショートケーキに組み合わせた商品を展開。鉄道会社をグループに持つ百貨店らしいクリスマスケーキだ。

「クリスマス・トレイン ロールケーキ」税込み10,000円
「クリスマス・トレイン ロールケーキ」税込み10,000円

 さらにヒルトン広島では、ホテルのロビーに毎年展示される巨大ジオラマ「クリスマス・トレイン」をモチーフにした「クリスマス・トレイン ロールケーキ」が登場する。伝統的なブッシュ・ド・ノエルを列車の姿へと再構築した30台限定の一品で、ダークチョコレート、キャラメル、ローストモルトなどを重ねている。単に列車の飾りを載せるのではなく、ケーキそのものの構造を使って列車を表現しているのが面白い。

 こうしたケーキを見ていると、クリスマスはパティシエにとって、一年の中でも特に技術や発想を披露できる“作品発表の場”なのではないかとも思えてくる。

 通常の商品では、作業時間や量産性、販売価格などを考えれば難しい複雑な造形にも、クリスマスという特別な機会なら挑戦できる。チョコレート細工、ムース、スポンジ、クリームなど菓子作りの技術に加え、「何を作るか」という発想力まで問われる。味だけではなく、造形や物語まで含めて1つの商品を完成させるのである。

「ラ・ポスト・デュ・ラ・フォレ」イメージ
「ラ・ポスト・デュ・ラ・フォレ」イメージ

 もちろん、クリスマスケーキを作品性で選ぶ必要はない。言わずもがな、味を最優先して王道のショートケーキを選ぶのもいい。シンプルなケーキだからこそ、スポンジやクリーム、イチゴといった素材や基本技術の差が表れやすい面もある。

 それでも、この時期に発表されるラインアップを眺めていると、クリスマスは少し特別だ。本を作る人がいる。森を作る人がいる。列車を作る人もいる。

 ケーキを買うかどうかとは別に、一度じっくり眺めてみるのも面白い。クリスマスは、パティシエたちの技術と発想がどこまで行けるのか、その“最高レベル”の一端を見られる季節なのかもしれない。

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