規格外スイーツは「訳あり」から「選ばれる理由」へ 継続可能な食品ロス対策の鍵は商品価値にあり

「冷凍チョコバナナ」イメージコラム
「冷凍チョコバナナ」イメージ
「冷凍チョコバナナ」イメージ
「冷凍チョコバナナ」イメージ

 規格外の果物を使ったスイーツが、単なる食品ロス対策を超えて、商品価値そのものになり始めている。一体なぜだろうか?

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 スターバックスの「バナナ アフォガート フラペチーノ」は、表皮の傷やサイズなどを理由に廃棄されていた「もったいないバナナ」を採用し、大人向けのデザートドリンクとして展開する。ファミリーマートの「冷凍チョコバナナ」も、規格外バナナを約160トン使用する見込みで、復活販売されるほど話題性を得ている。さらに大阪の「食堂カフェpotto」では、市場に出せなかった規格外リンゴをコンポートにし、チョコレートと組み合わせたフェアを展開している。このような事例が近年少なくない。

「バナナ アフォガート フラペチーノ」イメージ
「バナナ アフォガート フラペチーノ」イメージ

 ここで注目したいのは、いずれも「捨てられるはずだった素材」を前面に出しながら、味や体験の魅力を決して二の次にしていない点だ。規格外だから安く売る、ではなく、完熟バナナの濃厚な甘み、冷凍ならではの食感、リンゴの酸味とチョコレートの相性といった、素材の個性を商品設計の中心に置いている。つまり「もったいない」は入口であり、最後に購入を決めるのは「食べてみたい」、「飲んでみたい」、「試したい」という直感や好奇心をくすぐる仕掛けだ。

「チョコレート&林檎フェア」イメージ
「チョコレート&林檎フェア」イメージ

 スイーツは、食品ロスの課題を生活者に柔らかく届ける力を持つ。説教ではなく、とろける甘さで伝える。ここが強い。

 環境配慮を掲げる商品は、ともすれば“良いことをしている感”が先に立ち、味の期待値が置き去りになりがちだ。しかし今回のような複数の事例では、むしろ規格外素材であることがストーリー性を生み、商品への愛着を深めている。いわば、傷や不ぞろいは欠点ではなく、”語れる個性”に変わる。

 規格外食物の今後を握るのは、継続性と透明性だろう。どの素材が、なぜ規格外となり、どのように生まれ変わったのか。そこまで伝えられれば、消費者は一杯のドリンクや一皿のケーキの向こうに、生産者や流通の現場を想像できる。規格外スイーツは、廃棄を減らすだけでなく、食べる人の視野を少し広げるメディアにもなり得る。

「冷凍チョコバナナ」イメージ
「冷凍チョコバナナ」イメージ

「かわいそうな素材を救う」だけでは長続きしない。「おいしいからまた食べたい。しかもロス削減にもつながる」。この順番が、規格外スイーツを一過性の企画で終わらせないための肝だ。甘いものには、人の気持ちをほどく力がある。ならばその力で、フードロスという少し苦い課題も、もう少し味わい深く語れるはずだ。

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