マクドナルドは、芸能人を起用した広告展開やコラボレーション企画が抜群にうまい。単に知名度の高い人物を並べるのではなく、その時々の芸能トレンドを捉え、商品に最も適した人物を選び出しているからだ。
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象徴的なのが、森永製菓とのコラボスイーツに狩野英孝を起用した企画である。狩野は「チョコボール」のCMソングを独特の歌唱でアレンジ。ギター、歌、キメ顔という本人の持ち味が、どこか懐かしく楽しい森永商品の世界観と見事に重なった。商品を説明するだけでなく、出演者そのものを企画の一部に組み込んでいる。

若者の間で注目を集める人物を見つける速さも際立つ。人気グループ「HANA」から複数のメンバーを次々と起用し、MAHINAさんには「きのこの山」と「たけのこの里」のコラボ商品に合わせたダンスを披露させた。流行している人物を呼ぶだけではなく、そのダンス力やファン層まで企画に落とし込んでいる。

三角チョコパイのCMでも、シリーズの顔である伊藤沙莉に、2024年秋は「ENHYPEN」のNI-KIさんを、2025年秋は「HANA」のNAOKOさんを組み合わせてきた。親しみやすい俳優と高いダンス力を持つ若手アーティストを共演させることで、従来のファンを維持しながら、新しい世代にも話題を広げている。

また、マクドナルドは俳優、芸人、アイドルといった職業の枠にとらわれない。M-1王者となった直後のたくろうを岡田准一さんと共演させた企画は、漫才の中にマクドナルドが登場した縁まで拾い上げたものだ。広告への起用というより、世間で生まれた話題の続きを企業側が素早く形にした企画といえる。

あのちゃんの起用など、時には個性の強さで知られる人物のキャスティングも少なくない。しかし、強い個性を避けて無難な人物だけを選んでいては、大きな話題も生まれにくい。マクドナルドは「今、誰が世間の関心を集めているのか」を敏感に見極め、一定のリスクを取りながら広告に採用している。
同社が優れているのは、有名人の人気を借りることではない。商品の特徴、季節感、出演者の個性、ファン層、SNSでの広がり方までを1つの企画として設計している点だ。芸能人が商品を宣伝するのではなく、芸能人と商品をかけ合わせて新しい話題を作る。その発想こそ、マクドナルドのコラボ企画が毎回注目される最大の理由だろう。
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