
ファミリーマートが創立45周年に合わせ、15社と組んだ全18種類の「ファミマとコラボ祭」を展開する。ファミチキとエバラ「黄金の味」、ファミからとMizkan「味ぽん」、森永製菓「ミルクココア」をイメージしたバウムなど、ジャンルをまたいだ商品が一斉に並ぶ。
【うまいの確定】45年の歴史上最多のコラボ全18商品揃える「ファミマとコラボ祭」9月1日より全国展開

注目したいのは、単に「コラボ商品が多い」という点ではない。今回の企画は、コンビニが自ら商品を開発して販売する場所から、世の中に存在する有名な味を集め、別の商品として組み替える“食の編集メディア”へと役割を広げていることを象徴している。

例えば「黄金の味」、「味ぽん」、「ミルクココア」と聞けば、多くの人は食べる前からある程度その味を想像できる。長年親しまれてきた商品には、ブランド名だけでなく、消費者の記憶に蓄積された「味のイメージ」がある。
ファミリーマートは今回、そのイメージをファミチキやおむすび、パン、スイーツ、アイスなどへ移植した。既存ブランドの味を一種のIPとして捉え、ファミマの商品群の中で再編集しているとも言える。そして、こうした試みを大規模に成立させられる背景には、コンビニという業態そのものの特殊性がある。

日本のコンビニは、全国に巨大な店舗網を持ちながら、多くの店舗が24時間営業し、弁当やおにぎり、スイーツ、飲料だけでなく、日用品や雑貨まで扱う。街のいたるところにあり、朝食、昼食、間食、夕食、深夜の買い物まで、一日のあらゆる時間帯で消費者と接点を持つ。これほど高頻度に利用されながら、これほど幅広い商品カテゴリーを一つの売り場に集める小売業態は異彩を放つ存在だ。

だからこそ、焼肉のたれを揚げ物へ、調味料をおむすびへ、飲料の味をスイーツへと横断的に変換できる。専門店であれば扱える商品のジャンルは限られるが、コンビニなら「次は何と何を組み合わせるか」という編集そのものを売り場にできる。

消費者にとっても利点は大きい。初めて見る商品であっても、知っているブランドとの組み合わせなら味を想像しやすい。「買ってみたら好みではなかった」という新商品特有の不安も小さくなる。「あの味だから、うまいの確定。」という今回のコピーは、その心理を巧みに突いている。
さらに18商品まで規模を広げれば、1つずつの商品ではなく、売り場全体がイベントになる。商品を複数回に分けて投入することで、再来店を促す効果も期待できるだろう。

コンビニはもはや、メーカーの商品を棚に並べるだけの場所ではない。全国規模の流通網、長時間営業、多様な品揃え、そして圧倒的な生活接点を生かし、世の中にある「知っている味」を集め、新しい食体験へと編集して届ける。
「ファミマとコラボ祭」は、45周年を祝う大型企画であると同時に、日本のコンビニだからこそ可能な“食の編集力”を見せる企画でもある。
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