【売り切れ・販売休止も】なぜスタバのケーキは「頭一つ抜けている」と感じるのか? 実食で見えたおいしさの秘密

「白桃&アールグレイタルト」イメージコラム
「白桃&アールグレイタルト」イメージ
「白桃&アールグレイタルト」イメージ
「白桃&アールグレイタルト」イメージ

 カフェチェーンやコンビニのスイーツを食べ比べていると、スターバックスのケーキは不思議と記憶に残る。単に甘い、濃厚、具材が豪華というだけではない。一口の中で味と食感が変化し、食べ終えた後にも主役の素材が印象に残る。なぜ、コーヒーチェーンのケーキがここまで完成度高く感じられるのか。

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スターバックス「紅はるかと安納芋の焼き蜜芋ケーキ」イメージ
スターバックス「紅はるかと安納芋の焼き蜜芋ケーキ」イメージ

 人気の高さを示す出来事も続いた。5月発売の「チョコレートテリーヌ」は一時欠品し、公式サイトで販売再開予定が案内された。9月2日発売の「紅はるかと安納芋の焼き蜜芋ケーキ」も発売後に欠品。ケーキニュース編集部は9月下旬に、都内店舗で再販を確認している。欠品の原因をすべて味の良さに帰すことはできないが、販売再開を待ち望む声も広がった。

 ケーキニュース編集部では、ここ最近のスターバックスのケーキを複数実食し、その味を確かめている。その中で、おいしさの鍵は、素材を「足す」だけでなく、個性を「調整する」ことにあるように感じられた。「焼き蜜芋ケーキ」は、上品な甘さの紅はるかと、濃厚な安納芋を組み合わせた一品。ねっとりとした生地にシナモンを効かせたザクザクの土台を重ねながら、芋の風味が強すぎず、重たさも控えめだった。濃厚さと食べやすさの両立が巧みだ。

「白桃&アールグレイタルト」も好例だ。白桃の果汁感と甘みに、アールグレイの香りが重なる。紅茶は主役を奪わず、桃の味わいを引き締める役割を担っていた。

「抹茶シフォンケーキ」イメージ
「抹茶シフォンケーキ」イメージ

「抹茶シフォンケーキ」は、甘いクリームがすっと溶けた後、抹茶のほろ苦さが余韻として残る点が印象的だった。共通するのは、甘さ一辺倒にしない構成だ。

 こうした特徴を読み解く手がかりが、スターバックス コーヒー ジャパン公式採用サイトの「商品開発(フード)」にある。フード部の担当者は、飲み物を目当てに来た客に対しては、単においしい商品を作るだけでなく、ビバレッジと一緒に楽しめることや、思わず手に取りたくなる魅力、店舗空間での体験価値が重要だと説明している。

「手しぼり栗のモンブラン」イメージ
「手しぼり栗のモンブラン」イメージ

 つまり、ケーキは単体で完結する商品ではない。コーヒーの苦みや香り、店で過ごす時間まで含めて、満足感をつくる役割がある。濃厚な素材を使っても甘さで押し切らず、香りや食感で後味に変化をつける。その商品設計は、実食で感じた完成度とも重なる。

 さらに、全国の多くの店舗で提供できることも見逃せない。公式の同インタビューによれば、同社はプリンチのベーカリーを除いて自社工場を持たず、社内の複数部署が連携して商品開発や生産管理に取り組んでいる。商品開発と生産管理の連携によって品質を追求し、全国規模での提供と両立させているのだろう。

 価格という前提もある。焼き蜜芋ケーキは店内利用で税込み540円、白桃のタルトは同580円(販売当時の価格)。手軽さや価格競争が重要なコンビニスイーツとは、求められる役割も異なる。価格が高ければ必ずおいしいわけではないが、各社が何を優先して商品を磨くかの違いは大きい。

「クッキー&クリーム チーズケーキ」イメージ
「クッキー&クリーム チーズケーキ」イメージ

 もちろん、客観的な比較試験でスターバックスの優位性が証明されているわけではない。それでも「ケーキ専門店だったか」と感じる瞬間があるのは、甘さや素材の強さだけでなく、その引き際まで考え抜かれているからではないか。コーヒーのついでに選んだ一皿が、次の来店理由に変わる。それが、日本国内におけるスターバックスのケーキの強さなのかもしれない。

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