【考察】ケーキ1台1万円超でも売れる クリスマスだけ「価格の壁」を限界突破する理由

「サパン・ド・ノエル」税込み14,000円ケーキ
「サパン・ド・ノエル」税込み14,000円
数量限定「極 ガトー・オー・フレーズ」税込み16,000円
数量限定「極 ガトー・オー・フレーズ」税込み16,000円

 ケーキ1台に1万円。普段なら、かなり高く感じる価格だ。ところがクリスマスになると、その1万円が不思議と「あり得ない金額」ではなくなる。

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「あまおうフロマージュ~Noël~」10,800円
「あまおうフロマージュ~Noël~」10,800円

 2026年のクリスマスに向け、ホテルニューオータニでは新作「あまおうフロマージュ~Noël~」が1万800円、ホテル椿山荘東京では「極 ガトー・オー・フレーズ」が1万6,000円、「グランド ハイアット 東京」では新作「ショコラ カフェ ノワール」が1万2,000円で登場する。地方の札幌グランドホテルでも、「サパン・ド・ノエル」が1万4,000円だ。特に『極 ガトー・オー・フレーズ』は毎年予約開始早々に完売する人気商品で、高価格帯でも需要があることがうかがえる。

 なぜ、クリスマスだけは高価格帯のケーキが受け入れられやすいのか。

新作「ショコラ カフェ ノワール」税込み12,000円(限定60台)
新作「ショコラ カフェ ノワール」税込み12,000円(限定60台)

 1つは、消費者の中で「普段のケーキ代」と「クリスマス予算」が別物として扱われやすいからだ。日常のおやつとして1万円を支払うのはためらっても、年に一度のイベント費用と考えれば判断は変わる。これは、同じ1万円でも用途によって感じ方が異なる、いわば“財布の中の仕分け”だ。

「サパン・ド・ノエル」税込み14,000円
「サパン・ド・ノエル」税込み14,000円

 さらに、クリスマスケーキはホールで購入し、家族や複数人でシェアするケースが多い。1台1万円でも、5人で食べれば1人当たり2000円。外食やホテルのデザートと比較すれば、一気に現実的な金額に見えてくる。

 比較対象が変わることも大きい。

 普段なら、3000円や4000円のケーキと比べて「1万円は高い」と考える。しかしクリスマスには、ホテルディナーや旅行、プレゼントなど、数万円単位の出費も珍しくない。その中に置かれると、1万円のケーキは相対的に小さな支出へと変わる。

「サパン・ド・ノエル」税込み14,000円
「サパン・ド・ノエル」税込み14,000円

 加えて、多くの商品が予約制、数量限定で販売される点も見逃せない。「いつでも買える1万円のケーキ」ではなく、「クリスマスにしか買えない限定ケーキ」になることで、価格より希少性が意識されやすくなる。

 クリスマスに1万円以上のケーキが売れるのは、単純に消費者が高価格に慣れたからではない。年に一度という特別感、複数人で割る感覚、イベント全体の予算、そして限定性。こうした条件が重なることで、同じ1万円でも心理的な“重さ”が軽くなる。

 クリスマスは、ケーキの値段が変わる季節であると同時に、消費者の「価格の見え方」そのものが変わる季節であると言えるのかもしれない。

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