
旬の果物を使ったスイーツと聞くと、大きくカットした果肉をケーキやパフェにのせた姿を思い浮かべる人は多いだろう。特に桃やシャインマスカットのような高級感のある果物は、「生で食べるのが一番おいしい」と考えられがちだ。しかし最近のホテルスイーツを見ると、旬の果物をあえて凍らせる、煮る、炙るといったメニューも少なくない。
【関連記事】パティスリーピネード:国産シャインマスカット&長野県産ナガノパープル使った新作スイーツ、9月1日より期間限定展開

象徴的なのが、富山エクセルホテル東急で7月から販売されている「シャインマスカットのアフタヌーンティー」だ。メニューには生の果実を生かした品だけでなく、凍らせた「フローズンシャインマスカット」や、客の目の前で火入れする「シャインマスカット ブリュレ仕立て」が登場。同じシャインマスカットでも温度や調理法を変え、異なる食感を楽しませている。

桃も同様だ。例えば品川プリンスホテルの「DINING & BAR TABLE 9 TOKYO」では、7月から9月にかけて「桃とレモンがきらめくサマーアフタヌーンティー」を販売。桃をコンポート、ソルベ、ムースなどに変化させ、「桃のパフェ PEACH PEACH PEACH!!!」では複数の加工法を1つのグラスに重ねている。生の桃だけでは作りにくい食感や温度差が、デザートとしての立体感につながっている。

ホテル椿山荘東京でも、7月から「ピーチ×メロンアフタヌーンティー」を展開。「ピーチメルバのヴェリーヌ」では桃をコンポートにし、パンナコッタやカモミールゼリーと組み合わせている。桃そのものを見せるというより、加工して別の素材と重ねることで一皿の完成度を高める発想だ。
さらに東京・紀尾井町のホテルニューオータニの中国料理「大観苑」では、8月に「杏仁プリン 桃のコンポート添え」を販売。旬の桃をコンポートにすることで、なめらかな杏仁プリンとの食感の差を作っている。
果物を加工する目的は、必ずしも保存性を高めることだけではない。凍らせれば冷たさと歯触りが加わり、煮れば果肉の質感や甘味の感じ方を変えられる。炙れば香ばしさという、生の果実にはない要素も生まれる。
高級フルーツを「そのまま出さない」のは、素材をもったいなく使っているのではない。むしろ、その果物から何種類の魅力を引き出せるか。旬のフルーツスイーツでは、そんな調理法そのものが商品の個性になりつつあるのかもしれない。
【関連記事】
【実食レポ】白桃とアールグレイ合わせた人、マジ天才 スタバの夏季限定タルトがご褒美すぎた件
【実食レポ】セブン「ティラミス氷」コーヒーソースの苦みとマスカルポーネのコクが重なる濃厚かき氷
セブン‐イレブン:夏の爽やかレモンスイーツ2品、8月4日より順次全国発売中
