
海外発のカフェやスイーツブランドによる「日本初上陸」が続いている。しかし、日本は人口が増えている国ではない。2025年国勢調査の速報値では総人口は約1億2305万人。2020年から約310万人減り、全国市区町村の約9割で人口が減少した。それでも海外ブランドが日本を目指すのは一体なぜか?
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1つの答えとして考えられるのは、「日本全体」ではなく巨大都市圏を見ると景色が変わることだ。東京都だけで人口は約1425万人。東京、神奈川、埼玉、千葉を合わせた東京圏には約3699万人が暮らし、日本人口の約3割が集中する。

スウェーデン発「ドロップコーヒーロースターズ」が今年9月、日本1号店として選んだのも東京の中野。51席を構え、午前8時から午後10時まで営業する。コーヒーは630円からで、日本限定ケーキも7〜8種類用意する。さらに複数店舗展開も視野に入れている。
例えば客単価を1000円、1日200〜300人が利用すると仮定すれば、単純計算した年間売上高は約7300万〜1億950万円になる。もちろん実際には客数、原価、賃料などに左右されるが、人気店になれば1店舗でも年間1億円前後の売上高が見えてくる計算だ。
さらに現在の日本には「1億2300万人」以外の巨大な顧客層もいる。2025年の訪日外国人数は、過去最多の約4268万人。旅行消費額も過去最高の約9兆4559億円に達した。 海外旅行者にとって、母国や他国で知るブランドを東京や大阪、名古屋で利用する需要も期待できる。
一方、日本は決して税金の安さで出店先に選ばれる国ではない。法人税率は原則23.2%で、これとは別に地方税などもある。 飲食ではイートインの消費税率が10%なのに対し、持ち帰りの飲食料品は8%だ。

そうした中、ラデュレの新業態「カフェ・ラデュレ」が持ち歩ける「フィンガーパティスリー」を展開するように、店内飲食だけに依存しない設計も重要になる。 韓国「No Brand」の「カフェチップ」のように、まず全国のPLAZAやオンラインで商品を販売し、大規模な店舗投資をせず日本の反応を見る方法もある。
人口減少、税負担、人件費や賃料を考えれば、日本進出は決して簡単ではない。それでも大都市圏に数千万人の消費者が集中し、年間4000万人を超える訪日客が加わる。

「日本初上陸」は単なるブランド宣伝ではない。高密度な消費市場で売上高を作れるかを試し、成功すれば全国展開、さらにはアジアでのブランド価値向上につなげる。そのための「ショーケース」として、日本市場は今も魅力的に映っていると考えられる。
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