
ケーキやタルトの商品説明で、頻繁に目にする「ラム酒」の文字。商品名に大きく掲げられることもあれば、隠し味として使われることもある。数ある洋酒の中で、なぜラム酒はこれほど幅広く使われているのだろうか。
【実食レポ】ラムレーズンが香る大人の味わい 銀座コージーコーナー「ラムレーズンベイクドレアチーズ」食べてみた

例えば、スイーツブランド「パティスリーピネード」は11月1日より、「ラムバナナのショコラ・ポワン」を販売する。ラム酒を効かせたバナナソテーとチョコレートムースを組み合わせた一品だ。
銀座コージーコーナーが9月に発売した「濃香ラムレーズンタルト」は、ラム酒入りカスタード、自家製ラムレーズン、ラム酒ゼリーを重ね、洋酒の香りを前面に打ち出した。

一方、上島珈琲店のロングセラー「アーモンドとバターのザントクーヘン」では、生地とバタークリームにジャマイカ産のラム酒を少量使用する。こちらはラム酒を主役にするのではなく、バターのコクを引き立てる役割を担っている。
この3品だけでも、果実に香りを添える、洋酒そのものの風味を楽しませる、素材の味を支えると、使い方は異なる。この柔軟さが、ラム酒の大きな強みだ。
ラム酒は、サトウキビを原料とする洋酒で、ケーキや焼き菓子などに幅広く使われている。スイーツと相性がよい理由の1つが、その独特の香りだ。
例えば、チョコレートと組み合わせれば濃厚な味わいに変化をつけ、バターを使った焼き菓子ではコクや香ばしさを引き立てる。バナナやレーズンなどの果実との相性もよく、さまざまなスイーツに取り入れやすい。
興味深いのは、ラム酒が単に甘さを加えるためのものではないことだ。少量でも香りに変化をつけられるため、素材本来の味わいを生かしながら、風味に奥行きを持たせることができる。
また、使い方も幅広い。生地やクリームに混ぜ込むだけでなく、レーズンをラム酒に漬け込んだり、焼き上げた生地にラム酒入りのシロップを染み込ませたりすることもある。
先に紹介した3品を見ても、ラム酒の風味を前面に押し出した商品もあれば、少量を加えて素材の味を引き立てる商品もある。つまり、必ずしも「ラム酒の味」を楽しませるためだけに使われているわけではないのだ。
ただし、ラム酒の香りが強すぎると、他の素材の風味が感じにくくなることもある。また、アルコールが残る商品もあり、前述の「濃香ラムレーズンタルト」はアルコール含有率1.3%。子どもやアルコールに弱い人などは注意したい。
ラム酒がスイーツに重宝されるのは、チョコレートやバター、果実など、さまざまな素材と組み合わせやすく、使い方にも幅があるからだ。
ラム酒そのものを主役にすることもあれば、隠し味として使うこともある。同じ洋酒でも、商品によって役割が異なる。そんな違いに注目すると、普段食べているスイーツの楽しみ方も少し広がりそうだ。
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