多彩な見栄えで、フォトジェニックな丸い「ズコットケーキ」（またはズッコットケーキe）。ルネサンス時代に伊トスカーナ地方のフィレンツェで生まれた、セミフレッド（冷凍したムース）を使った半冷凍のケーキだ。
名前の由来は諸説あり、15〜16世紀の兵士が装着していた金属製の兜「ズッコット」（zucotto）、あるいはカトリック教会の聖職者の半ドーム型の頭巾「カロッタ」の伊トスカーナ地方の俗語を使った別名「ズッケット」（zucchetto）に由来すると言われている。
現代ではつくり方は多様だが、必ず必要なのはボウル。基本は長方形のスポンジ生地をくの字に重ねることで（あるいは丸く切り抜いた生地を放射状に切って、それを敷き詰める）、半ドーム型に整えていく。
見栄えを意識する際は、透明なガラスボウルを用いるのがベター。できあがりをイメージしながらつくることができる。一番外側にフルーツや生クリーム（＋ゼラチンなど）など最も見せたいものを敷き詰め、内側からスポンジ生地をかぶせて固める。さらに内側にまたフルーツ＋生クリームなどを入れ、冷蔵して固める。
イチゴやキウイなど色の異なるフルーツを用いてつくれば、カラフルなケーキに仕上げられる。
また、生地を最も外側に出す場合、スポンジ面と焼き色がついた面で交互にするとモザイク模様になって色鮮やかになる。
参考文献：
「いちばんやさしいイタリア料理」(監修：修長本和子、料理：佐藤護／成美堂出版)
「菓子検定 公式問題集&解説【3級】」(大阪あべの辻製菓専門学校／評論社)