【令和の変化】飲んでも、かじっても「ケーキ」 ケーキは“形”ではなく“味の概念”になる?

「銀座のいちごシェイク 森永れん乳仕立て」イメージ東京都
「銀座のいちごシェイク 森永れん乳仕立て」イメージ
「生カヌレスティックケーキ」イメージ
「生カヌレスティックケーキ」イメージ

 ケーキと聞けば、スポンジ生地にクリームを重ねたショートケーキや、三角形に切り分けられたチョコレートケーキなどを思い浮かべる人が多いだろう。しかし近年、その常識が揺らぎ始めている。スティック、ドリンク、プリン、パフェなど、従来とは異なる姿をした「ケーキ」が次々と登場している。

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 例えば、ファミリーマートが2026年9月に発売した「生カヌレスティックケーキ」。累計940万食を販売した「生カヌレケーキ」を進化させた商品で、カヌレ生地をスティック形状に変更。生クリーム入りホイップクリームを挟み、片手でも食べやすい仕組みにした。ケーキを皿に置いてフォークで食べるという従来の形式から離れた一例だ。

「ご褒美スティックケーキ とろける生マシュマロ」イメージ
「ご褒美スティックケーキ とろける生マシュマロ」イメージ

 ローソンも同年6月、「ご褒美スティックケーキ とろける生マシュマロ」を展開した。スティック状にすることで、ケーキを日常のちょっとした休憩時間に取り入れやすくしている。

「銀座のいちごシェイク 森永れん乳仕立て」イメージ
「銀座のいちごシェイク 森永れん乳仕立て」イメージ

 さらに興味深いのが、液体への転換だ。東京ばな奈ワールドは11月1日より、東京駅で「銀座のいちごシェイク 森永れん乳仕立て」を展開する。東京土産「銀座のいちごケーキ」を飲むデザートとして表現した商品で、イチゴの甘酸っぱさとミルクのコクを組み合わせている。スポンジ生地がなくても、味わいからケーキを連想させる設計だ。

「いちごムースケーキプリン」イメージ
「いちごムースケーキプリン」イメージ

 一方、山形県のプリン専門店「山形プリン」は2025年12月、「いちごムースケーキプリン」を発表。「ケーキのようなプリン」をコンセプトに、プリンの中へスポンジケーキを組み込んだ。こちらは本来の構造を一部残しながら、別のスイーツへ変換した事例と言える。

数量限定「和栗と季節の果物パフェ Set」イメージ
数量限定「和栗と季節の果物パフェ Set」イメージ

 パフェにも同様の動きがある。秋の定番であるモンブランは、栗のクリームを細く絞った特徴的な姿を生かし、グラスに盛り付ける商品が登場。静岡県熱海市の「和栗菓子kiito -生糸-」でも「和栗と季節の果物パフェ Set」が展開されている。ケーキならではの風味や見た目を、異なる食べ方に応用している。

 では、なぜケーキは形を変え続けるのか。

 1つは、食べる場面の拡大だ。従来のケーキは、皿やフォークを必要とする場合が多かった。しかしスティックなら片手で食べられ、ドリンクなら移動中にも楽しみやすい。プリンやパフェにすれば、食感や温度の組み合わせも広がる。

「カラメルからめるプリンタルト」イメージ
「カラメルからめるプリンタルト」イメージ

 もう1つは、消費者が求める「ケーキらしさ」が、必ずしも外観だけではないことだ。イチゴの酸味とクリームの甘み、スポンジの柔らかさ、チョコレートの濃厚さ。こうした要素を再構成すれば、従来の姿でなくてもケーキを連想させられる。

「パパパパンプキンタルト」イメージ
「パパパパンプキンタルト」イメージ

 もちろん、すべての商品がケーキそのものになるわけではない。ただ、ケーキの価値が特定の形状から解放され、さまざまなスイーツへ広がっているのは確かだろう。

 もはやケーキは、1つの商品形態だけを指す言葉ではなくなりつつある。味、食感、素材の組み合わせを通じて、別の商品にも応用できる「設計思想」へと変化しているのかもしれない。

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