【発想の転換】夏でも売れる工夫「冷やして食べる焼き菓子」が広がる理由

「焼きたてタルト 桃チーズ」イメージコラム
「焼きたてタルト 桃チーズ」イメージ
夏季限定の新作ドーナツ3種のイメージ
夏季限定の新作ドーナツ3種のイメージ

 夏のスイーツといえば、アイスクリームやゼリー、かき氷が定番である。しかし2026年夏は、タルトやビスケット、ドーナツといった焼き菓子にも、冷蔵温度で味わうことを前提とした商品や、冷やすことで魅力が増す商品が目立っている。

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 例えば クリスピー・クリーム・ドーナツも6月24日から全店舗で、夏季限定の「ジューシー スイカ」「ジューシー ピーチ」「パイナップル クリーム」を順次展開した。果汁入りのナパージュやフルーツクリームを使い、冷やすことで、よりフルーティーな味わいを楽しめるとメーカーが公式に提案している。

「焼きたてタルト 桃チーズ」イメージ
「焼きたてタルト 桃チーズ」イメージ

 チーズ菓子専門店「BAKE CHEESE TART」の新作「焼きたてタルト 桃チーズ」は、冷蔵庫で冷やすと、桃はじゅわっとみずみずしく、ムースはぎゅっと引き締まりベイクドチーズケーキのようなずっしり濃厚な口当たりに。冷凍庫で凍らせると、桃はシャリッとムースはアイスのようなひんやり濃厚な食感に変化する。こちらもメーカーが冷やすことを公式に推奨している。

「レモンチーズタルト」イメージ
「レモンチーズタルト」イメージ

 ファミリーマートが7月7日に発売した「レモンチーズタルト」は、チーズのまろやかなコクにレモンの風味を合わせている。ケーキニュース編集部が実食した際には、そのまま食べるよりも冷蔵庫で冷やした方が、レモンの爽やかさが引き立ち、夏場でも食べやすくなると感じた(※メーカー公式の食べ方ではなく、編集部による実食上の所感)。

「ふわ生2層のチーズタルト」イメージ
「ふわ生2層のチーズタルト」イメージ

 ローソンも6月16日、全国のローソン店舗で「ふわ生2層のチーズタルト」と「しっとりビスケットサンド レアチーズ」を発売した。「ふわ生2層のチーズタルト」は、生クリームとクリームチーズを使ったレアチーズと、ナチュラルチーズ入りのベイクドチーズを重ねた商品。濃厚なベイクドチーズに、軽い口溶けのレアチーズとかすかな酸味を組み合わせ、重さを抑えている。

 シリーズ累計約500万個を販売した「しっとりビスケットサンド」の第4弾として登場した「しっとりビスケットサンド レアチーズ」も、焼いたビスケットと冷たいチーズクリームを組み合わせた商品だ。サクサク一辺倒ではなく、しっとりとした生地にすることで、冷蔵状態でも硬くなりすぎず、クリームとの一体感を生み出している。

 冷やすことには、単に温度を下げる以上の効果がある。チーズやバターの濃厚さを穏やかに感じさせる一方、レモンや桃などの酸味、果実の香り、クリームの滑らかな口溶けを際立たせられる。メーカー側にとっても、既存のタルトやビスケットの構造を大きく変えず、フルーツやチーズ、温度の提案によって夏向けの商品に再設計できる利点がある。

 「夏は焼き菓子が売りにくい」という固定観念は、崩れ始めている。アイスのように完全に凍らせるのではなく、冷蔵庫から取り出してすぐに食べる。そんな「冷やしておいしい焼き菓子」が、夏の新たな選択肢として広がっている。

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