【考察】モンブランに国籍はある? 「イタリアンモンブラン」と名乗ると何が変わるのか

「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージコラム
「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ
「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ
「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ

 モンブランと聞けば、栗のクリームを細く絞った、なじみのケーキが思い浮かぶ。ところが「イタリアン」が付くと、少し印象が変わる。栗の味が濃そうだ。洋菓子らしいコクがありそうだ。まだ食べていないのに、いつものモンブランとは違う味を想像してしまう。

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「モウ(MOW) イタリアンモンブラン」イメージ
「モウ(MOW) イタリアンモンブラン」イメージ

 森永乳業が9月14日より全国で期間限定発売する「モウ(MOW) イタリアンモンブラン」は、その違いを考える好例だ。伊産マロンのペーストを使い、洋栗の濃厚な甘みとミルクのコクを組み合わせたカップアイスである。

 カフェの新作にも、イタリアの名を冠したモンブランが登場している。「エクセルシオール カフェ」が9月10日に発売した「イタリア栗とカシスのモンブラン」だ。伊栗のクリームに、カシスソースやティラミスムース、薄いチョコレート、ココアスポンジを組み合わせた6層仕立てである。

「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ
「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ

 CakeNewsの実食では、モンブランクリームのねっとりした口当たりと、濃厚な栗の味わい、芳醇な香りが印象的だった。カシスの甘酸っぱさが全体を引き締め、チーズのまろやかさを感じるティラミスムースが、栗と果実をつなぐ。栗の存在感を軸に、酸味や乳製品のコクを重ねた一品だった。

 そもそもモンブランは、フランス語で「白い山」を意味する。名前はアルプスの山に由来し、イタリア語では「モンテビアンコ」と呼ばれる。菓子の発祥には諸説あり、フランスとイタリアの双方に栗とクリームを使う菓子文化がある。フランス語の名前だからといって、イタリアと無縁のスイーツというわけではない。

 ただし、菓子の発祥地と原料の産地は別の話だ。今回の2商品では、イタリアの栗を使っていることが、名前の具体的な裏付けになっている。「イタリア」を冠すれば、一律に同じ製法や味になると受け止めるのは早計だろう。

「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ
「イタリア栗とカシスのモンブラン」イメージ

 それでも、産地を示す言葉は、食べる前の期待を膨らませる。「栗のアイス」なら栗味が伝わり、「モンブランアイス」ならクリームと栗を合わせたケーキを想像できる。さらに「イタリアン」が加われば、素材の選び方にも特徴がある商品として目に留まりやすくなるのではないだろうか。

「和栗モンブラン」から栗の繊細な香りを期待する人がいれば、「イタリアンモンブラン」には濃厚でクリーミーな味を期待する人もいるだろう。もちろん、実際の味は栗の品種や加工、砂糖や乳製品の配合によっても変わる。こうした印象は、これまで食べた菓子や商品説明から生まれる連想でもある。

 今回の2商品も、「モウ」はミルクとの調和を打ち出し、エクセルシオールはカシスやティラミスムースとの組み合わせを楽しませる。同じイタリアの栗でも、目指す味わいは1つではない。

 モンブランが「イタリアン」になると別物に見えるのは、名前から期待する味が変わるからではないだろうか。食べ慣れたスイーツでも、「今回はどんな栗の味だろう?」と気になる。その小さな違いが、もう一度手に取る理由になる。

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