静かに広がる夜パフェ文化 札幌・すすきの発祥の“甘い締め”が本州へ南下

札幌・すすきの取材時の夜パフェコラム
札幌・すすきの取材時の夜パフェ
札幌・すすきの取材時の夜パフェ
札幌・すすきの取材時の夜パフェ

 夜にパフェを楽しむ文化が、静かに広がっている。もとは北海道・札幌市の繁華街・すすきのを中心に根付いた「シメパフェ」文化。飲食の後にラーメンではなく、甘さを抑えたパフェで一日を締めくくる楽しみ方として知られ、旬のフルーツやジュレ、自家製ソルベなどを幾層にも重ねた、見た目にも華やかな一杯が支持を集めてきた。この夜パフェ需要が、本州に拡大している。

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左から「スカーレット」、「ザ・エンペラー」
左から「スカーレット」、「ザ・エンペラー」

 東京都新宿区では、ヒルトン東京が2025年11月14日より、1階「セント・ジョージ バー」および2階バー&ラウンジ「ZATTA」にて、バー限定の夜パフェ2種を展開。ストロベリー、ローズゼリー、宇治抹茶クランブル、金箔、エディブルフラワーなどを組み合わせた華やかなパフェを用意し、ホテルバーの夜を彩るスイーツとして打ち出した。

「エトワール」イメージ
「エトワール」イメージ

 また、新宿野村ビル50階の「ホテルオークラ レストラン ワイン&ダイニング デューク」は今年5月7日より、ディナーコースの締めくくりに季節のパフェを用意する平日限定の夜パフェプラン「エトワール」をスタート。オードブル、スープ、メインディッシュの後に、ラベンダーやブルーベリー、スモモピュレなどを重ねた初夏向けのパフェを提供し、夜景とともに楽しむ“締めの甘味”を提案している。

「パフェバー アンドビーゴ」パフェイメージ
「パフェバー アンドビーゴ」パフェイメージ

 専門店の展開も活発だ。夜パフェ専門店「パフェバー アンドビーゴ」は2025年9月以降、鎌倉、町田、広尾に新店舗を順次オープン。各店は、観光地、若者の街、高級飲食店エリアといった立地に合わせ、カフェ、バー、ラグジュアリー空間など異なる利用シーンを想定している。

 同ブランドはさらに2026年2月20日、京都・河原町に関西初出店。17時から深夜5時までの営業を掲げ、パティシエ監修の月替わりパフェを、バーのように落ち着いた空間で楽しめる専門店として展開する。京都店では、地元客には落ち着ける空間を、観光客には京都らしい空間を提供することを狙う。

「アイスは別腹」商品イメージ
「アイスは別腹」商品イメージ

 また、夜パフェ専門店「アイスは別腹」も全国各地に店舗を拡大している。

 夜パフェが支持を広げる背景には、パフェならではの“ご褒美感”がある。グラスの中にフルーツ、アイス、クリーム、ジュレ、焼き菓子などを重ねたパフェは、一品で満足感が高く、見た目の華やかさも強い。食後のデザートでありながら、単なる甘味にとどまらず、写真に残したくなる小さな体験として成立する。

 さらに、夜の過ごし方そのものも変化している。厚生労働省の情報サイトでは、男性の飲酒量について「近年、飲酒量は減ってきました」としており、アルコールを中心にした夜の消費だけではない選択肢が求められていることもうかがえる。近年は飲料メーカー各社も、アルコール度数が極めて低い“微アル”飲料を展開しており、「酔うこと」よりも、食事や会話の場を心地よく楽しむニーズが広がっている。そうした流れの中で、夜パフェはお酒を飲む人にも飲まない人にも寄り添う、夜時間の新たな楽しみ方として存在感を増している。

 お酒を飲まない人、少量で楽しむ人、食後にもう少しだけ会話を続けたい人、観光後に甘いものを食べたい人。そうした人々にとって、夜パフェは“飲み会の代替”というより、“夜を心地よく締めるための新しい選択肢”になりつつある。

 札幌・すすきのの文化として育ったシメパフェは、いま東京のホテルバー、京都の観光エリア、横浜中華街の専門店へと広がっている。夜の街に、甘く、華やかで、少し背伸びしたパフェが静かに根を下ろし始めている。

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