
スイーツ業界で、1つの商品や素材を軸にした専門店が再び存在感を高めつつある。
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米ロサンゼルス発のパイとオーガニックコーヒーの専門店「ザ・パイホール・ロサンゼルス」は、日本国内の運営体制を刷新。店舗だけでなく、ポップアップやお取り寄せ、法人向けギフトなども含めた再展開に乗り出している。

こうした専門店の復活を考える上で象徴的なのが、アンナミラーズだ。
1973年に東京・青山へ日本1号店を開業し、ホームメイドパイを看板商品として支持を集めたが、2022年8月、品川駅周辺の再開発に伴って国内最後の高輪店を閉店した。しかし、ブランドそのものが消えたわけではない。日本国内ではオンラインショップでパイの販売を、そして不定期の催事出店を続け、2026年2月には南青山で実店舗を復活させた。

注目したいのは、復活後すぐに店舗だけへ依存していない点である。2026年7月にはファミリーマートと組み、チーズケーキとダッチアップルパイを再現したアイスを全国約1万6,100店舗で発売した。東京の店舗へ行けない消費者にも、アンナミラーズの味や名前を届ける仕組みだ。

これは単なるコラボ商品ではない。閉店後も通販や催事でファンとの接点を保ち、実店舗を再開し、さらにコンビニ商品によって全国へ認知を広げる。ブランドを一度に大規模展開するのではなく、複数の販売経路を組み合わせながら復活させる戦略と言える。
一品特化型の店は、「何の店なのか」が分かりやすい。パイ、アップルパイ、メロン、チーズケーキなど、看板となる言葉がそのままSNSの投稿内容や検索キーワードになる。幅広い商品を扱う店よりも、短時間で特徴を理解してもらいやすいのだ。

アップルパイ専門店「グラニースミス」が店舗限定商品を用意したり、メロン専門工房「果房 メロンとロマン」が一つの素材をプリンやパフェに展開したりする動きも、専門性と商品開発の両立を示している。
もちろん、一つの商品への依存はリスクにもなる。だからこそ現在の専門店は、専門性を薄めずに、通販、催事、コラボ、テイクアウトへ販路を広げている。
「何でもある店」よりも、「ここなら、あれが食べられる店」。専門店の復活が相次ぐ背景には、SNSや検索で選ばれやすい分かりやすさと、店舗以外にもブランドを届けられる販売環境の変化がある。
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