【独自名称の確立目指す】タリーズの新カテゴリー「シェイクール」はスタバ「フラペチーノ」の成功を再現できるのか?

「シェイクール」イメージコラム
「シェイクール」イメージ
「シェイクール」イメージ
「シェイクール」イメージ

 タリーズコーヒーは8月5日より、フローズンドリンクのカテゴリー名称を「シェイクール(SHAQOOL)」に統一する。これまでは商品の特徴に合わせて「シェイク」や「スワークル」などの名称を使ってきたが、今後は「シェイク」と「クール」を組み合わせた独自の造語で商品群をまとめる。商品の中身を大きく変えなくても、名前を変えるだけで新しい市場を作ることはできるのか?

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 今回のポイントは、単なる新商品の発売ではない。既存の商品を共通の名前で束ね、タリーズ独自の1つのジャンルとして認識してもらおうとしている点にある。

「フローズンドリンク」という言葉は、商品の状態を説明するには分かりやすい。一方で、競合店やコンビニの商品にも使える一般的な表現であり、タリーズならではの印象は残りにくい。客が「冷たいドリンクを飲みたい」と考えているだけでは、別の店を選ぶ可能性もある。

 そこで独自名称を浸透させ、「今日はシェイクールを飲みたい」と思ってもらえれば、カテゴリーへの需要を、そのままタリーズへの来店動機に変えられる。

「ぎゅぎゅっと オレンジ & マンゴー フラペチーノ」イメージ
「ぎゅぎゅっと オレンジ & マンゴー フラペチーノ」イメージ

 独自路線の代表的な成功例が、スターバックスの「フラペチーノ」だ。現在ではコーヒー、抹茶、果物など幅広い商品が展開され、期間限定品が登場するたびに話題になる。単なるフローズンドリンクではなく、名称そのものが新商品への期待を生むブランド資産になっている。

「バニラアフォガート シェイクール」イメージ
「バニラアフォガート シェイクール」イメージ

 共通名称を持つメリットは、商品の記憶や検索もしやすくなることだ。マンゴーやコーヒーなど中身が変わっても、「シェイクールの新作」という1本の物語で継続的に発信できる。店頭のメニューや広告でも商品群をまとめやすく、夏の定番カテゴリーとして育てられる可能性がある。

「クリーミーマンゴータンゴ シェイクール」イメージ
「クリーミーマンゴータンゴ シェイクール」イメージ

 ただし、名前を付けただけで市場が生まれるわけではない。言葉が覚えにくかったり、どのような飲み物なのか伝わらなかったりすれば、注文時の心理的な壁になる。「シェイクール」と聞いて、冷たく濃厚なフローズンドリンクをすぐ思い浮かべてもらえるかが最初の関門だ。

 さらに、名称を定着させるには、継続的な新商品投入も欠かせない。数品だけで展開が終われば、一時的なキャンペーン名として忘れられてしまう。季節ごとの新作や定番商品を積み重ね、客が自然にその名前を口にする状態まで育てる必要がある。

 商品名は、中身を説明する札であると同時に、市場の境界線を引く道具でもある。「シェイクール」が定着すれば、タリーズは既存のフローズンドリンク市場で競うだけでなく、自ら名付けた市場の代表者になれる。その成否は、これから何杯の”人気”「シェイクール」を積み重ねられるかにかかっている。

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