
ホテルのラウンジで、友人と午後の時間をゆっくり過ごす。そんなアフタヌーンティーの定番像が崩れ始めている。最新の「ヌン活」は、夜間、1人利用、食事中心など、利用者の生活に合わせて形を変える段階に入った。
【おひとり様が支える高価格帯】アフタヌーンティーは「誰かと楽しむもの」ではなくなった変化を象徴するのが、「夜のヌン活」の拡大だ。予約サービス「OZmall」の調査によると、17時以降に始まるアフタヌーンティーやハイティーの予約数は、2020年から2025年までの5年間で約3倍に増えた。最終入店が19時半や20時に設定されたプランもあり、パスタやセイボリーを充実させ、夕食の代わりとして利用できる商品も登場している。
背景にあるのは、東京の厳しい暑さ。気象庁が7月30日に発表した1ヵ月予報では、8月1日以降の東日本の平均気温が平年より高くなる確率は60パーセント。特に8月1日からの1週間は、高温となる確率が70パーセントとされた。 東京では8月1日の予想最高気温が36度、2日も35度となっており、10日ごろまで32~34度前後の日が複数予測されている。
これほど暑ければ、最高気温に近づく14~15時に外出し、熱い紅茶を飲む従来型のヌン活は負担が大きい。日差しが弱まる夕方以降へ予約時間をずらす動きは、単なる流行ではなく、気候に合わせた行動変化といえる。夜パフェや夜ケーキの市場が広がっていることとも共通しており、「スイーツは午後3時」という常識そのものが揺らいでいる。

利用人数にも変化がある。「OZmall」のレストラン予約では、1名利用でのレストラン予約数が2019年から2025年までの6年間で10.4倍に拡大した。アフタヌーンティーやランチなど、従来は複数人で楽しむ印象が強かった外食でも、1人利用を受け入れる店舗やプランが増えている。
今後のヌン活で重要になるのは、「何を盛り付けるか」だけではない。1人用スタンド、夕食になるセイボリー、仕事帰りに立ち寄れる開始時間、酒を飲まなくても過ごせる夜の空間。こうした選択肢を整えられるかが問われる。
もはや「アフタヌーン」という名称に、午後の時間帯や複数人利用を厳密に合わせる必要はない。酷暑が続く都市では、ヌン活は午後の優雅な行事から、時間や人数を自分で選ぶ都市型レジャーへ変わりつつある。
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