【秋スイーツ】モンブランはもうケーキの名前ではない? パフェやシェイクまで“モンブラン化”する理由

静岡県熱海市「和栗菓子kiito -生糸-」のモンブランイメージ(2024年に編集部撮影)コラム
静岡県熱海市「和栗菓子kiito -生糸-」のモンブランイメージ(2024年に編集部撮影)
静岡県熱海市「和栗菓子kiito -生糸-」のモンブランイメージ(2024年に編集部撮影)
静岡県熱海市「和栗菓子kiito -生糸-」のモンブランイメージ(2024年に編集部撮影)

 秋になると、洋菓子店のショーケースを茶色や黄色のモンブランが彩る。しかし近年、その姿は定番のケーキだけに収まらない。パフェやアフタヌーンティー、ジェラート、シェイクなど、さまざまなスイーツへ広がっている。

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「モンブランセレクション2026」イメージ
「モンブランセレクション2026」イメージ

 麻布台ヒルズが9月18日~10月12日に展開する「モンブランセレクション2026」でも、王道のモンブランに加え、異なるスタイルの商品が登場する。企画全体ではパフェやアフタヌーンティー、ジェラート、シェイクなどを含む、26店舗33種の秋季スイーツを揃えるという。

「ヒサヤ キョウト」の「利平栗のモンブランパンケーキ」2,200円
「ヒサヤ キョウト」の「利平栗のモンブランパンケーキ」2,200円

 モンブランが他のスイーツへ広がりやすい最大の理由は、「栗を使ったケーキ」から、「栗のクリームを細く絞って重ねる表現」へ意味が広がったためではないか。

「マールブランシュ」北山本店サロン限定「モンブランと葡萄の秋色パフェ」(9月16日〜11月30日)
「マールブランシュ」北山本店サロン限定「モンブランと葡萄の秋色パフェ」(9月16日〜11月30日)

 土台がスポンジやメレンゲでなくても、栗のクリームを山のように絞れば、一目でモンブランだと伝わる。パフェの上に盛れば高さと華やかさを出せる他、ジェラートに重ねれば濃厚さを加えられる。シェイクであれば、栗の風味やクリームの見た目を残しながら、飲むスイーツへ変換できる。形を変えても、栗特有の色味や香り、細く絞ったクリーム、時には栗そのものを使うことで、「モンブランらしさ」が失われにくいのである。

グランドカステラ「まるごと栗のモンブランカステラ」イメージ
グランドカステラ「まるごと栗のモンブランカステラ」イメージ

 季節感を短時間で伝えられる点も強い。栗は秋を代表する食材だが、「栗味」と記すだけでは和菓子や料理まで含む幅広い印象になる。一方、「モンブラン」と名付ければ、栗の濃厚な甘味やクリームのなめらかさ、デザート感まで想像しやすい。商品名そのものが、秋らしさとスイーツらしさを同時に兼ね備えている。

 さらに、細く絞ったクリームは見た目にも特徴があり、写真や動画との相性が良い。客の前でクリームを絞る演出も成立しやすく、味だけでなく完成する過程まで商品価値にできる。パフェやアフタヌーンティーのような体験型メニューにも取り入れやすい。

 つまり現在のモンブランは、特定の形をした一種類のケーキというより、栗の風味、絞ったクリーム、山のような立体感を組み合わせた「スイーツの様式」になりつつある。ティラミスがパフェやドリンクへ広がったように、モンブランもまた、元の姿を残しながらジャンルを越えていく。秋になると何でも“モンブラン化”するように見えるのは、それだけ汎用性が高い表現だからなのだろう。

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