店頭に並べなかった“補欠”「規格外」がレギュラー入りする時代

スターバックスの日本上陸30周年記念第2弾イメージコラム
スターバックスの日本上陸30周年記念第2弾イメージ
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スターバックスの日本上陸30周年記念第2弾イメージ

 現在、スイーツやカフェ業界では「規格外」を価値に変える動きが広がっている。見た目の傷やサイズの不ぞろい、仕上がりのわずかなズレなどを理由に、これまで店頭に並ばなかった素材や商品を、新たな魅力として打ち出すケースが増えているのだ。

【関連記事】規格外スイーツは「訳あり」から「選ばれる理由」へ 継続可能な食品ロス対策の鍵は商品価値にあり

 背景には、食品ロス削減への意識の高まりだけでなく、あらゆる食材の価格が高騰している現実もある。果物、乳製品、小麦、油脂、カカオなど、スイーツに欠かせない原材料の多くが値上がりし、企業側は商品価格や利益率とのバランスに頭を悩ませている。消費者にとっても、日常の“ちょっとしたご褒美”を選ぶ目は以前より慎重になっている。

「バナナ アフォガート フラペチーノ」イメージ
「バナナ アフォガート フラペチーノ」イメージ

 こうした状況で、味や品質に問題のない規格外フルーツや規格外商品を活用することは、単なる節約策にとどまらない。廃棄されるはずだった素材に新しい出口をつくり、商品として再評価することで、環境負荷を抑えながら、価格高騰時代における持続可能な商品開発にもつながる。

「バナナ&キャラメルケーキ」イメージ
「バナナ&キャラメルケーキ」イメージ

 スターバックスが展開する「もったいないバナナ」を使ったフラペチーノやケーキ、ドーナツは、その象徴的な例といえる。表皮の傷や形の違いで規格外となったバナナも、味わいの魅力は変わらない。むしろ“もったいない”という言葉を前向きなストーリーに変えることで、商品に共感や選ぶ理由が生まれている。

「“わけあり”ドーナツを含む「環境月間限定サプライズボックス」イメージ
「“わけあり”ドーナツを含む「環境月間限定サプライズボックス」イメージ

 また、クリスピー・クリーム・ドーナツのように、トッピングの欠けや形の乱れなどで通常販売されなかったドーナツを詰め合わせとして販売する取り組みも、消費者にとっては意外性のある楽しみになる。完全な見た目ではなくても、おいしさはそのまま。そこに少しのサプライズ感が加われば、“訳あり”はむしろ魅力に変わる。

 かつて規格外商品は、安さや処分品のイメージで語られることが多かった。しかし現在は、食品ロス削減、原材料高騰への対応、企業のサステナブルな姿勢、そして消費者の共感を結びつける存在になりつつある。傷のある果物も、少し形の崩れたドーナツも、価値がないのではなく、価値の見せ方を変える余地があっただけだ。

 物価高の時代だからこそ、無駄なく、おいしく、前向きに楽しめる商品には大きな意味がある。「規格外」は、いまや弱点ではなく、企業と消費者をつなぐ新しい合言葉になっている。

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