【昭和元年から数えて100年】令和に再発見 昔懐かしいスイーツが再び脚光を集める理由

「レトロモダンアフタヌーンティー」イメージコラム
「レトロモダンアフタヌーンティー」イメージ
「レトロモダンアフタヌーンティー」イメージ
「レトロモダンアフタヌーンティー」イメージ

 2025年は、昭和元年から数えて「昭和100年」に当たる節目の年だった(2026年は満100年を迎える年)。これを機に、音楽やファッション、家電、建築など、昭和の文化を振り返る企画が相次いだ。スイーツ市場でも、固めのプリンやクリームソーダ、黄色いモンブラン、スワンシューなど昔懐かしい商品があらためて脚光を集めている。

【平成終了からまだ7年】”あの頃のスイーツ”が早くも令和に再ブレイクしつつある理由
「復刻 オリエンタルパフェ」税込み3,000円
「復刻 オリエンタルパフェ」税込み3,000円

 例えば東京プリンスホテルは、純喫茶をテーマに、クリームソーダ風ゼリーやスワンシュー、たぬきケーキを組み合わせた「レトロモダンアフタヌーンティー」を展開。「資生堂パーラー銀座本店」では、昭和35年に誕生した「オリエンタルパフェ」が復刻された。帝国ホテル 東京も、1971年のホテルショップ開店時に販売していたスワンシューなど、伝統的なスイーツを現代向けに再構成している。

「レトロモダンアフタヌーンティー」イメージ
「レトロモダンアフタヌーンティー」イメージ

 再ブレイクの大きな理由は、昭和を知る世代と知らない世代が、それぞれ異なる価値を感じられる点にあると考えられる。

たぬきケーキのイメージ
たぬきケーキのイメージ

 中高年層にとっては、子どもの頃や若い頃の記憶を呼び起こす懐かしい味。一方、若い世代には、脚付きの器に盛られたプリンアラモードや、鮮やかなクリームソーダ、動物をかたどったケーキが、かえって新鮮に映る。「古いもの」が一周して、写真を撮りたくなる「レトロかわいい商品」へ変化したのである。

ホテルニューグランドの「プリン・ア・ラ・モード」イメージ
ホテルニューグランドの「プリン・ア・ラ・モード」イメージ

 昭和スイーツは、見た瞬間に商品の特徴が伝わりやすいことも強い。プリンの上に生クリームとさくらんぼを飾り、周囲にフルーツを並べれば、ひと目で「プリン・ア・ラ・モード」だと分かる。複雑な説明を必要とせず、SNSの小さな画像でも認識されやすい。

 ホテルニューグランドが現在も伝統的なスタイルで提供する「プリン・ア・ラ・モード」は、日本で生まれたデザートとされる。プリン、アイスクリーム、色とりどりのフルーツを横長の器に盛る華やかな構成は、誕生から長い年月が過ぎても古びていない。

 また、近年のスイーツがムースやジュレを幾層にも重ね、味や構造を複雑化させる一方、昭和スイーツはプリン、クリーム、果物といった分かりやすい素材で構成される。物価高が続き、商品選びで失敗したくない消費者にとって、「味を想像できる安心感」は無視できない魅力だ。

不二家洋菓子店「昭和100年記念 思い出のファッションケーキ1970's クレープのパニエ」(2025年)
不二家洋菓子店「昭和100年記念 思い出のファッションケーキ1970’s クレープのパニエ」(2025年)

 もちろん、昔の商品をそのまま再現するだけではない。甘さを抑えたり、旬の果物を使ったり、アフタヌーンティーに仕立てたりと、令和の味覚や消費スタイルに合わせた再編集が行われている。

 昭和100年は、過去を振り返るだけの記念年ではなかった。長く親しまれてきたスイーツの魅力を再確認し、次の世代へ受け渡すきっかけにもなった。新しい商品が次々に登場する時代だからこそ、誰もが知る定番の分かりやすさが、再び新鮮な価値を持ち始めている。

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