【相乗効果】人気店を並べると客を奪い合わない? スイーツブランドが“隣接出店”を選ぶ理由

「ダコー」および「アイムドーナツ?」の各種商品のイメージコラム
「ダコー」および「アイムドーナツ?」の各種商品のイメージ
「ダコー」および「アイムドーナツ?」の各種商品のイメージ
「ダコー」および「アイムドーナツ?」の各種商品のイメージ

 人気のスイーツ店やカフェが、あえて同じ場所に集まる出店が福岡市内で相次いでいる。一見すると客を奪い合いそうだが、実際にはブランド同士の強みを組み合わせ、来店目的や購入機会を増やす狙いがある。

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「アイムドーナツ?」店舗イメージ
「アイムドーナツ?」店舗イメージ

 福岡市博多区では7月21日、生ドーナツ専門店「アイムドーナツ?(I’m donut ?)」とベーカリーカフェ「ダコー(dacō)」が、博多駅前の西日本シティビル1階に同時オープンした。両店舗の間には仕切りがなく、ワンフロアで双方の商品を楽しめる設計となっている。

「ダコー」店舗イメージ
「ダコー」店舗イメージ

 「アイムドーナツ?」は約15種類の生ドーナツを扱うテイクアウト専門店。一方の「ダコー」は約40種類のパンに加え、ブランド初となる自家焙煎コーヒーを提供し、16席の客席も備える。業態は異なるが、ドーナツ、パン、コーヒーという組み合わせは相性が良い。

 象徴的なのが、「アイムドーナツ?」で販売される「コーヒードーナツ」だ。隣接する「ダコー」の自家焙煎コーヒーを使用したクリームを詰めており、店舗の配置だけでなく、商品自体にもブランド間のつながりが組み込まれている。片方の店を目的に訪れた客が、自然にもう一方の商品へ関心を持つ仕掛けである。

「CARVEL」イメージ
「CARVEL」イメージ

 福岡市中央区の商業施設「天神VIORO」7階でも、似た動きが見られる。7月29日、米ニューヨーク発のソフトクリームブランド「CARVEL」の日本第1号店が、「シナボン・シアトルズベストコーヒー天神VIORO店」とのコラボレーション店舗としてオープンする。

「シナボンアラモード」イメージ
「シナボンアラモード」イメージ

 同店では、「CARVEL」のソフトクリーム単体だけでなく、シナモンロール専門店「シナボン」と組み合わせた「シナボンアラモード」なども展開する。甘いシナモンロール、冷たいソフトクリーム、苦味のあるコーヒーを一度に選べるため、単独ブランドよりも利用場面が広がる。休憩目的の客、スイーツ目的の客、話題の新店を訪れたい客を、同じ店舗に呼び込める。

 隣接出店の利点は、集客力の足し算だけではない。複数ブランドをまとめることで、「何を食べるか決めていない客」にも選択肢を提示できる。グループ内で食べたいものが分かれても対応しやすく、ドーナツとコーヒー、パンとドリンク、シナモンロールとソフトクリームといったセット購入も期待できる。

 もちろん、似た商品を並べすぎれば競合になる。ただし、それぞれの専門性や利用目的が少しずつ異なれば、隣の店はライバルではなく、来店理由を増やす装置になる。人気ブランドを離して出店するよりも、あえて集めて一つの目的地にする。近年の隣接出店は、客を分け合う戦略ではなく、街を歩く人の選択肢と滞在時間を広げる戦略と言えそうだ。

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