【出店側にも利点】常設店を作らなくても全国進出できる スイーツ催事がブランドを育てる理由

「2026 アムール・デュ・ショコラ ~ショコラ大好き!~」イメージコラム
「2026 アムール・デュ・ショコラ ~ショコラ大好き!~」イメージ
「HANSHIN イチオシ かき氷 2026」イメージ
「HANSHIN イチオシ かき氷 2026」イメージ

 全国の人気店を一つの会場に集めるスイーツ催事が、百貨店の有力な集客策になっている。開催期間は限られるが、話題性や新規顧客との接点という面では、常設店を上回る効果を生むこともある。

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 阪神梅田本店では7月29日〜8月3日、8階催場で「HANSHIN イチオシ かき氷 2026」を開催。全国17店舗が集まり、消費者は大阪にいながら各地の個性的なかき氷を食べ比べられる。遠方の店舗を一軒ずつ巡る場合に必要な交通費や時間を抑えながら、複数のブランドをまとめて体験できるのが催事の強みだ。

「旅する和菓子」イメージ
「旅する和菓子」イメージ

 かき氷以外でも同様の動きがある。新宿高島屋では4月15日〜4月21日、「旅する和菓子」を開催。栃木、石川、滋賀、福井、島根、広島、香川の7県から若手和菓子職人や店主が集まり、代表銘菓や新作を販売した。地方の店舗にとっては、東京に常設店を構えなくても、首都圏の消費者へ商品や店名を直接紹介できる機会となる。

「第11回 時をかけるあん」イメージ
「第11回 時をかけるあん」イメージ

 阪急うめだ本店でも2025年10月29日〜11月3日、「第11回 時をかけるあん」を開催。全国約150ブランド、約220種類の商品を展開した。単独店舗では実現しにくい圧倒的な品揃え自体が、来店する目的になる。

「2026 アムール・デュ・ショコラ ~ショコラ大好き!~」イメージ
「2026 アムール・デュ・ショコラ ~ショコラ大好き!~」イメージ

 催事そのものがブランド化した代表例が、ジェイアール名古屋タカシマヤの「アムール・デュ・ショコラ」だ。今年は1月16日〜2月14日に開催され、約150ブランド、約2700種類の商品が登場。来店客数は95万人以上、売上高は56億円以上となった。限定品や先行販売、シェフ同士のコラボレーションも多く、「毎年訪れるイベント」として定着している。

 出店側にも利点は大きい。常設店を新設する場合、家賃や内装費、人材採用、物流体制など継続的な負担が発生する。催事なら期間を限定し、比較的小さなリスクで新しい地域の反応を確かめられる。売れ筋や客層を把握できれば、オンライン販売や将来の常設出店に向けた市場調査にもなる。

 さらに、同じ会場に集まる競合店の商品構成や価格、包装、陳列方法、客の反応を知る機会にもなる。催事は販売の場であると同時に、業界研究の場でもある。

 百貨店側は、出店店舗や商品を入れ替えることで再来店を促せる。「この施設に行けば全国の人気商品が集まっている」という編集力そのものが、百貨店の価値になる。

 もちろん、催事は短期間の接点であり、常連客を育てやすい常設店の完全な代わりにはならない。それでも、ブランドを一気に知ってもらう瞬発力は強い。常設店が地域に根を張る拠点なら、催事は全国へ名前を広げる期間限定のショールームなのである。

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ケーキコラム百貨店編集部

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