
チョコミントは、店側が完成させた味をそのまま食べるだけのスイーツではなくなりつつある。客が自らミントを追加し、好みの刺激に調整する「追いミント」が広がっている。
【実食レポ】SNSで話題のファミマ「ヤマザキ×エッセルスーパーカップ チョコミント風味ケーキ」食べてみた北海道、東京都、大阪府に店舗を構えるロールアイス専門店「ロールアイスクリームファクトリー」は2026年7月25日、夏季限定企画「チョコミント限界突破チャレンジ」を開始。「チョコミントジャングルロールアイス」や「チョコミントスムージー」に、スポイト型の「追いミント」を1本・税込み50円で追加できる。客は自らミントを注ぎ、爽快感を強められる仕組みだ。

刺激の強さを客に委ねる動きは、以前から見られた。銀座コージーコーナーは2023年に販売した「チョコミントケーキ」で、「もっとミント感がほしい」という声に応え、別添えの「追いミントソース」を導入。激辛料理の「1辛」、「2辛」のように、ソースを追加するごとに「1ミント」、「2ミント」と刺激を調整できる設計だった。

さらに、よーじやは2026年、有楽町マルイと渋谷モディで「スースー! チョコミント」東京ツアーを開催。通常商品の約50倍量のハッカ油を使った「50倍スースーパフェ」に、税込み110円の「追いミントソース」をすべてかければ、約80倍のスースー感に挑戦できる企画を展開した。
こうした商品が成立する背景には、いわゆる「チョコミン党」と呼ばれる愛好家の存在がある。その中には、夏になると新商品や期間限定フェアの情報を追い、複数の商品を食べ比べ、感想をSNSで発信する熱狂的なファンもいる。チョコミントは単なる好みの味ではなく、追いかける対象、いわば“推し”に近い存在になっている。

一方で、同じチョコミン党でも好みは一様ではない。チョコレートの甘さとの調和を重視する人もいれば、通常商品では物足りず、舌や喉に残るほど強い清涼感を求める人もいる。この振れ幅の大きさが、「追いミント」という仕組みを生んだのだろう。
これは、激辛料理で辛さを段階的に選べる仕組みとよく似ている。店側は基本の商品を大きく変えずに、初心者から刺激を求める愛好家まで対応できる。客にとっても、自分の限界を試したり、友人と強さを比べたりするゲーム性が生まれる。
「限界突破」「50倍」「80倍」といった言葉や数字も、味の説明にとどまらない。「何本追加したか」「どこまで耐えられたか」という体験は、SNSへ投稿する理由になる。通常の商品レビューよりも物語を作りやすく、企画そのものの拡散にもつながる。
万人受けを目指すのではなく、熱量の高いファンに向けて刺激を先鋭化し、最終的な味の調整を客に委ねる。「追いミント」は、スイーツでも味覚の個人最適化と体験型の商品設計が進んでいることを象徴している。
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