【新ジャンル】解凍を待たず、凍ったままが完成形 「フローズンスイーツ」が増え始めた理由

「Frozen MEGA Melon」イメージコラム
「Frozen MEGA Melon」イメージ
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 冷凍で届くスイーツと言えば、冷蔵庫へ移して数時間待ち、柔らかくなってから食べるのが一般的だった。ところが今夏、解凍を待つのではなく、凍った状態を「完成形」とする商品がにわかに登場している。

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「Frozen Summer Set」イメージ
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 手作りシフォンケーキ専門店「This is CHIFFON CAKE.」は7月28日から、公式オンラインストアで「Frozen Summer Set」を展開する。セットに含まれる「Frozen MEGA Melon」は、ふわふわのシフォンケーキに北海道産メロン果肉を大胆にのせた、“凍ったまま食べるシフォンケーキ”だ。冷たさだけでなく、ほどけるような軽い食感まで商品価値として設計されている。

「フローズンザクシュー」イメージ
「フローズンザクシュー」イメージ

 一方、シュークリーム専門店「クロッカンシュー ザクザク」は8月3日から、東京駅の「グランスタ東京」で「フローズンザクシュー」を発売する。クロッカンシューにカスタードクリームと生クリームを合わせたクリームを詰め、そのまま凍結。解凍せずに食べることで、クリームのシャリっとした口当たりと、キャラメリゼしたナッツのザクザク感を同時に楽しませる。

 これらは単に既存のケーキやシュークリームを冷凍した商品ではない。凍結によって生まれる食感を逆算し、生地、クリーム、果物の組み合わせを調整している点が重要だ。アイスではないが、アイスのように食べられる。従来の洋菓子と氷菓の境界を横断する、新しい商品群といえる。

 背景には、夏の長期化や酷暑がある。気温が高い時期には、濃厚なクリームやスポンジを重く感じる人もいる。しかし同じ素材でも、凍らせて口溶けや温度を変えれば、軽快な印象を与えやすい。夏に売りにくかったシフォンケーキやシュークリームを、季節商品として再編集できるのだ。

 解凍時間が不要になる利便性も大きい。通販商品は「食べたいと思ったのに、解凍に数時間かかる」という小さな不満が生じやすい。凍ったまま食べられれば、冷凍庫から出してすぐ楽しめ、食べる時間を逆算する必要もない。店舗商品でも、ワンハンドで食べられるフローズンシューは、移動中や外出先で購入しやすい。

 もちろん、全てのケーキが凍ったままおいしくなるわけではない。生地が硬くなりすぎたり、クリームの風味を感じにくくなったりする可能性もある。それでも、冷凍を保存手段ではなく調理工程の一部として捉える発想は、商品開発の幅を広げる。

 「解凍して元に戻す」のではなく、「凍らせることで別の味わいを作る」。フローズンスイーツは、暑さ対策と食感の新鮮さ、すぐ食べられる便利さを兼ね備えた、夏の新ジャンルとして定着する可能性がある。

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