【夜スイーツ拡大】「おやつは午後3時」の常識が崩れつつある? 酷暑で甘味を楽しむ時間が夜へ移る理由

夏季限定の夜パフェ2種のイメージコラム
夏季限定の夜パフェ2種のイメージ
「シャインマスカットパフェ」イメージ
「シャインマスカットパフェ」イメージ

 スイーツを楽しむ時間といえば、昼下がりのカフェタイムが定番だった。しかし昨今は、夕食後から深夜にかけてケーキやパフェを提供する施設が増え、「夜スイーツ」が1つの市場として定着し始めている。

【関連記事】ホテルメトロポリタン 川崎:夜帯も提供「シャインマスカットパフェ」9月1日より3ヵ月展開

 例えば直近では、ホテルメトロポリタン 川崎が9月より、「シャインマスカットパフェ」をティータイムだけでなく、20時以降にも「夜パフェ」として正式提供する。夜帯はラムレーズンアイスや紅茶のリキュールを使用し、昼とは異なる大人向けの味わいに仕立てる。単に営業時間を延ばすのではなく、時間帯に合わせて商品の内容まで変える試みだ。

夏季限定の夜パフェ2種のイメージ
夏季限定の夜パフェ2種のイメージ

 ヒルトン東京でも、バー&ラウンジ「ZATTA」で夏の夜限定パフェを展開。鹿児島市の「ホテル オリエンタル エクスプレス 鹿児島天文館」は、18時から24時までスイーツを主役にした「デザートBAR」を営業し、搾りたて和栗モンブランや知覧茶ティラミスを提供している。

「ShortCakeCompany」イメージ
「ShortCakeCompany」イメージ

 ホテルだけではない。東京・歌舞伎町の「ShortCakeCompany」は18時から24時まで営業する夜のケーキカフェとして支持を集め、開業当初の12席から約4倍の広さへ移転した。

「黒墨商店 高崎店」イメージ
「黒墨商店 高崎店」イメージ

 群馬県高崎市の「黒墨商店 高崎店」は、19時から夜ドーナツやアサイーボウルを販売するテイクアウト専門店だ。夜スイーツは都心のバー文化に限らず、仕事帰りやドライブ途中に立ち寄る郊外型の需要にも広がっている。

 背景の1つとして考えられるのが、酷暑による外出時間の変化だ。日中の気温が危険な水準まで上がる日には、買い物や外食を夕方以降にずらしたい人も増える。特にパフェやかき氷、アイスを使ったデザートは、暑さが残る夜との相性が良い。温暖化が進めば、「おやつ(スイーツ)は午後3時」という従来の常識が崩れ、涼しくなった時間帯に甘味を楽しむ生活様式がさらに広がる可能性がある。

 店側にもメリットがある。一般的なカフェでは、夕方以降に客足が落ちやすい。そこで夜限定の商品や酒と組み合わせたデザートを投入すれば、既存の厨房や客席を使って新たな売り上げを作れる。写真映えするパフェは「夜に出かける目的」にもなり、予約制や数量限定にすれば、高価格帯でも特別感を出しやすい。

「ShortCakeCompany」イメージ
「ShortCakeCompany」イメージ

 酒を飲まずに夜を過ごしたい人、一日の終わりに自分をねぎらいたい人、暑い昼間を避けて外出したい人。夜スイーツは、こうした異なる需要をまとめて受け止める。酷暑が日常化する時代、スイーツ市場では商品の季節だけでなく、「何時に食べてもらうか」も重要な戦略になりつつありそうだ。

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