【スイーツコラム】味が強くなくても高級に見える? ホテルスイーツが「花の香り」を使う理由

「ザ・ファースト・ブルーム」イメージコラム
「ザ・ファースト・ブルーム」イメージ
「ザ・ファースト・ブルーム」イメージ
「ザ・ファースト・ブルーム」イメージ

 高級スイーツと聞けば、濃厚なチョコレートや大粒の果物、高価なナッツを思い浮かべる人は多い。しかし近年のホテルスイーツでは、味の強さではなく「花の香り」によって特別感を作る動きもある。

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「ザ・ファースト・ブルーム」イメージ
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 7月31日に開業したコンラッド名古屋では、開業後初となるアフタヌーンティー「ザ・ファースト・ブルーム」を8月1日から展開している。バラ、蘭、エルダーフラワー、カモミール、ジャスミンなどを取り入れ、ホテルの誕生を花々の「開花」に重ねた内容だ。価格はサービス料込みで1人8,000円となる。

「ザ・ファースト・ブルーム」イメージ
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 例えば、ラズベリー味のホワイトチョコレートガナッシュにバラの香りを加えたマカロンや、カシスムースに蘭の香りを添えたスイーツが並ぶ。果物や乳製品が味の土台を担い、花は後から鼻へ抜ける香りや余韻を担当している。

 花の香りが高級感を生みやすい理由は、量や甘さとして数値化しにくい点にある。大きなイチゴや厚いチョコレートは分かりやすい一方、香りは食べる瞬間だけでなく、口に入れる前や飲み込んだ後にも残る。商品そのものよりも「体験」に価値を置きやすく、ホテルの空間や食器、紅茶とも一体化させやすい。

「薔薇のアフタヌーンティー」イメージ
「薔薇のアフタヌーンティー」イメージ

 同様の例として、ホテルニューグランドは今年の5~6月に「薔薇のアフタヌーンティー」を展開した。バラが香るフランボワーズムースや、バラと桃を合わせたグラスデザートを用意し、庭園を眺めるロビーラウンジの環境まで含めて、バラの世界観を構成している。

「薔薇のアフタヌーンティー」イメージ
「薔薇のアフタヌーンティー」イメージ

 花には、見た目と香りを同じテーマで統一できる強みもある。花の形をしたムースに花の香りを加えれば、説明を読まなくてもコンセプトが伝わる。写真映えだけで終わらず、食べたときにも印象がつながるため、アフタヌーンティー全体の物語を作りやすい。

「薔薇のアフタヌーンティー」イメージ
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 一方、花の香りは強すぎると、化粧品や芳香剤を連想させる危険もある。香りだけでは味の満足感を支えにくいため、ベリー、桃、柑橘、チョコレートなど、輪郭の分かりやすい素材との組み合わせが欠かせない。

 つまり、花の香りだけで高級感を完成させることは難しい。ただし、味を土台にして、花を余韻や空間演出に使えば、原材料の豪華さとは異なる価値を生み出せる。高級スイーツにおける花は主役というより、全体を上品に見せる香りの演出家だと言えるのかもしれない。

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