代替できない”施設資産”をフル活用 ホテルがスイーツメニューに「天空」「夜景」を組み込む理由

京王プラザホテル「アフタヌーンティー ~シャインマスカット×秋の味覚~」イメージコラム
京王プラザホテル「アフタヌーンティー ~シャインマスカット×秋の味覚~」イメージ
札幌プリンスホテルのアフタヌーンティー「秋彩」イメージ
札幌プリンスホテルのアフタヌーンティー「秋彩」イメージ

 ホテルのアフタヌーンティーで、近年すっかり定番になった言葉が「天空」、「絶景」、「夜景」だ。旬のフルーツや人気食材だけでなく、提供する場所の“高さ”まで商品名やセールスポイントに組み込む。2026年も、その傾向は鮮明だ。

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 札幌プリンスホテルが9月1日から販売する「天空のアフタヌーンティー『秋彩』」は、その代表例だろう。和栗やカボチャ、サツマイモ、ブドウなど秋の味覚を使用し、茨城県産「笠間の栗」のミニパルフェも用意する。一方、ホテルが同時に強く打ち出すのが、会場となる28階「スカイラウンジ トップ オブ プリンス」からの札幌の眺望だ。栗だけでなく「地上28階で食べる時間」まで含めて商品化している。

京王プラザホテル「アフタヌーンティー ~シャインマスカット×秋の味覚~」イメージ
京王プラザホテル「アフタヌーンティー ~シャインマスカット×秋の味覚~」イメージ

 同様の動きは各地にある。京王プラザホテルは9月から、45階のスカイラウンジ「オーロラ」で「アフタヌーンティー ~シャインマスカット×秋の味覚~」を展開。地上約160メートルからの景色と旬のシャインマスカットをセットで訴求する。

東京ドームホテル「ナイトアフタヌーンティー~ピーチ~」イメージ
東京ドームホテル「ナイトアフタヌーンティー~ピーチ~」イメージ

 東京ドームホテルでは、さらに「時間帯」まで価値に変えた。43階、地上150メートルの「アーティスト カフェ」で、2026年6月からナイトアフタヌーンティーを開始。9月からはシャインマスカットとメロンに紅ズワイガニや松茸を使ったパスタを組み合わせ、東京の夜景とともに楽しむ“大人の夜”として提案する。

 ヒルトン福岡シーホークも8月、35階「CLOUDS」で夜のアフタヌーンティー「After 8」を開始した。地上123メートルからの福岡の街並みを前面に出し、アフタヌーンティーを昼のティータイムからナイトタイム需要へ広げている。

 もちろん、眺望を売りにしたアフタヌーンティー自体は新しくない。それでも「高さ」が繰り返し使われるのは、ホテルにとって景色が簡単にはコピーされない資産だからだ。栗、桃、シャインマスカットは仕入れさえできれば、他店でも同じ食材を使える。しかし「地上150メートルから東京を眺めながら食べる桃」は、その場所でしか成立しない。

 現在のホテルアフタヌーンティーは、スイーツの競争であると同時に、場所と時間の競争でもある。「天空」や「夜景」という言葉は決して飾りではない。ホテルが自らの建物そのものを、メニューの一部としてアピールするためのキーワードなのである。

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