「ケーキ1個だけでもいいですか?」素朴な疑問への回答投稿が1890万回超表示 催事で多くの人が深層で感じていた“日本人らしい遠慮”とは

催事で販売されるケーキのイメージ(編集部撮影)コラム
催事で販売されるケーキのイメージ(編集部撮影)
催事で販売されるケーキのイメージ(編集部撮影)
催事で販売されるケーキのイメージ(編集部撮影)

「1個だけでもいいですか?」。百貨店の催事でケーキを買う際、そんなふうに店員へ確認したことがある人は、意外と多いのかもしれない。洋菓子店の店主がXに投稿した、そんな「1個買い」をめぐる内容が大きな反響を呼んでいる。投稿は1890万回以上表示されるほど注目を集めた。

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 同投稿では、催事で商品を販売していると客から「1個だけでもいいですか?」と尋ねられることがあると紹介。店側としてはもちろん1個だけの購入でも問題なく、「1個買い」も嬉しいという思いが伝えられている。

 たった1個のケーキを買う話が、なぜこれほど多くの人の目にとまったのだろうか?

 その背景には、多くの人がこれまで口には出さなかった「1個だけ買うことへの遠慮」があるのかもしれない。特に百貨店などの催事では、期間限定で遠方から店が出店していることも多い。店員が何人も立ち、華やかなショーケースにケーキが並ぶ。その前で「これを1個ください」と注文すると、ふと不安になる。

「わざわざ箱に入れてもらうのに1個だけでいいのだろうか」
「忙しそうなのに少額の買い物で申し訳ない」
「せっかくの催事なのだから、何個か買うのが普通なのではないか」

 もちろん、店からそんなルールを示されたわけではない。

催事で販売されるケーキのイメージ(編集部撮影)
催事で販売されるケーキのイメージ(編集部撮影)

 それでも私たち購入者は、周囲の客が家族の人数分を買ったり、手土産として4個、6個と注文したりする姿を見ているうちに、「ケーキは複数個買うもの」という感覚をいつの間にか身につけている。つまり、躊躇していたのは金額の問題というより、「客としてどう見られるか」なのだろう。

 店側にとって手間に見合わない客だと思われないか。ケチだと思われないか。後ろに並んでいる人に「それだけ?」と思われないか。誰からも言われていないのに、自分の中で勝手に“店側や催事の空気に配慮した最低購入個数”を設定してしまう。

 1890万回を超える表示につながったのも、この投稿がそんな「みんな薄々感じていたけれど、わざわざ言葉にはしてこなかった深層の感覚」を突いたからではないだろうか。

 本来、ケーキを買う理由はもっと自由なはずだ。

「このケーキだけ食べてみたい」
「仕事帰りに1個だけ甘いものが欲しい」
「催事で見かけて気になった」

 それで十分である。店側から「1個でも歓迎」と言葉にしてもらったことで、これまでショーケースの前で少し躊躇していた人たちも、「気にしていたのは自分だけではなかった」と気づいたのかもしれない。次に催事で一つだけ気になるケーキを見つけたら、遠慮せずに「これを1個ください」と言ってみたい。

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