【考察】“東京駅直結”ならスイーツは高くても売れる? 利便性が強気の価格設定に納得感を生むワケ

タルト アンド テーブル バイ ラス「苺/フロマージュ/白い花」1カット・1,480円コラム
タルト アンド テーブル バイ ラス「苺/フロマージュ/白い花」1カット・1,480円
タルト アンド テーブル バイ ラス「苺/フロマージュ/白い花」1カット・1,480円
タルト アンド テーブル バイ ラス「苺/フロマージュ/白い花」1カット・1,480円

 新幹線に乗る前の手土産、待ち合わせまでのひと休み、帰宅前に買う家族へのケーキ。東京駅でスイーツを選ぶとき、私たちは味や見た目とともに、「予定を崩さず買えること」にも価値を感じているのではないか。「駅直結」という条件は、多少高い価格を受け入れる理由になり得る。

【考察】なぜスタバは新幹線ホームへの出店を急ぐのか? 「旅の始まり」をブランド価値に変える狙い

 実際、同じブランドでも店舗によって価格は異なる。イノダコーヒの公式メニューを比べると、東京駅直結の東京大丸支店では「プリン」が税込み690円。京都の本店は税込み590円で、東京側が100円、約17%高い。「チョコレートパフェ」も本店は税込み1,110円に対し、東京大丸支店は税込み1,210円。ケーキの最低価格も、本店は税込み740円からなのに対して、東京大丸支店は税込み840円からとなっている。

 ただし、この比較には東京と京都の地域差や、百貨店内と路面店という営業条件の違いも含まれる。差額をそのまま「駅直結料金」と見なすことはできず、高い価格でどれだけ売れているかも、この数字だけでは分からない。

 それでも、購入する側の事情を考えると、駅直結の強みは見えてくる。出張先へ持参する菓子を探している人にとって、安い店まで往復する時間は負担になる。雨の日や荷物の多い日なら、屋外を歩かず買えるありがたさは増す。帰宅前のケーキも、別の街へ寄り道する必要がなければ、購入のハードルが下がる。価格差と引き換えに、時間や手間を減らせる。

 店を構える場所の価値は、地価にも表れる。国土交通省が公表している2026年の地価公示では、東京駅前広場に面する丸の内2丁目4番1号の標準地は、1平方メートル当たり3,760万円。前年の3,710万円から約1.3%上昇した。これは各店舗の賃料を示す数字ではないが、駅周辺が高額な土地であることを物語る。店舗側には、その場所で営業する費用を回収する必要もある。

タルト アンド テーブル バイ ラス「完熟マンゴー/ココナッツ/パッション」1カット・1,480円
タルト アンド テーブル バイ ラス「完熟マンゴー/ココナッツ/パッション」1カット・1,480円

 東京駅直結の新施設「TOFROM YAESU TOWER」内の新スイーツブランド「タルト アンド テーブル バイ ラス」では、1カット・税込み1,000円を超えるタルトを展開する。こうした価格帯のスイーツにとっても、駅直結の利便性は購入を後押しする要素になり得る。ただし、開業したばかりであり、価格がどこまで支持されるかは今後の動向を見守る必要がある。

 一方、駅直結なら一律に高くなるわけではない。京橋千疋屋が2026年8~9月に提供する「下川町のなついちごパフェ」は、東京駅一番街店でも、東京駅から徒歩約10分の京橋本店でも税込み3,850円。同じ価格でも、便利な立地は来店機会を増やす強みになり得る。

「タルト アンド テーブル バイ ラス」ショーケースに並べられたタルト12種のイメージ
「タルト アンド テーブル バイ ラス」ショーケースに並べられたタルト12種のイメージ

 手土産を買うために遠回りせずに済む、帰宅途中にケーキを買える。駅直結の店には、そんな便利さがある。時間に余裕がないときほど、少し安い店を探すより、その場で買えることを優先する人もいるだろう。「駅直結」は、スイーツの味や素材という従来の価値に加えて、「時間や手間を省ける」という付加価値によって、多少高い価格にも納得感を生むのかもしれない。

【関連記事】
【うまいの確定】45年の歴史上最多のコラボ全18商品揃える「ファミマとコラボ祭」9月1日より全国展開

東京駅:「東京ギフトパレット」秋季スイーツを9月1日より本格展開

東京ステーションホテル:国産苺30粒以上使った一品も登場 クリスマスケーキ2種の予約受付、10月1日より開始

テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました