【キーポイントは片手】ケーキにフォークはいらない? ”ワンハンドケーキ”はケーキ店の競合になるのか

「ごろっと1/2個分!桃のタルト」イメージコラム
「ごろっと1/2個分!桃のタルト」イメージ
「かじるレモンチーズケーキ」イメージ
「かじるレモンチーズケーキ」イメージ

 ケーキを食べるとき、フォークと皿は本当に必要なのだろうか。

【実食レポ】片手で気軽に食べられるセブン「かじるレモンチーズケーキ」 濃厚な味わいにレモンがほのかに香る

 セブン‐イレブンが8月4日より順次発売している「かじるレモンチーズケーキ」は、その問いに対する1つの答えになるかもしれない。低温で焼き上げたチーズ生地とビスケット生地を組み合わせながら、包装の一部を持って、そのまま片手で食べられる。小ぶりながら濃厚なチーズのコクがあり、レモンの酸味が後味を軽くしていた。つまり「手軽だから簡素」なのではなく、ケーキらしい満足感を残したまま食べ方を変えている。

「ごろっと1/2個分!桃のタルト」イメージ
「ごろっと1/2個分!桃のタルト」イメージ

 こうしたワンハンド化は、セブンだけの動きではない。ローソンが7月7日に発売した「ごろっと1/2個分!桃のタルト」も、ケースから取り出して片手で持てるサイズ感で、フォークや皿を用意せずに食べられる商品だ。桃を半玉丸ごとのせ、チーズクリームやタルト生地を組み合わせた、見た目にも“ちゃんとしたケーキ”に近い一品だ。仕事の合間や移動中、帰宅後にすぐ楽しめる「ワンハンド桃スイーツ」としての手軽さが印象的だ。

 セブン-イレブンは、昨年も「かじるクッキークリーム バニラムース仕立て」および「かじるベイクドチーズケーキ」を展開している。手応えを感じている模様だ。

 では、こうした商品は街のケーキ店の競合になるのだろうか。価格だけを見れば、300円前後で購入でき、店に入る必要もないコンビニスイーツは強力だ。ただし、奪っているのは必ずしも「ケーキ店に行く需要」ではないだろう。

「かじるクッキークリーム バニラムース仕立て」イメージ
「かじるクッキークリーム バニラムース仕立て」イメージ

 むしろ狙っているのは、これまでケーキを選択肢に入れていなかった時間だ。仕事中に10分だけ休憩したいとき、移動の途中、食後に少し甘いものがほしいとき。ショートケーキなら箱から出してフォークを用意する場面でも、ワンハンドなら袋を開ければ食べられる。

 つまり競争相手は、ケーキ店のショーケースだけではない。菓子パン、チョコレートバー、クッキー、場合によってはおにぎりまで含めた「短時間で口にできるもの」の市場に、ケーキが入り始めている。

「かじるベイクドチーズケーキ」イメージ
「かじるベイクドチーズケーキ」イメージ

 これはケーキ店にとってもヒントになりそうだ。従来のホールやプチガトーの価値を守る一方で、「歩きながら」、「仕事の合間に」、「一本だけ」といった新しいケーキを設計できれば、ケーキを買う場面そのものを増やせる可能性がある。

 ワンハンドスイーツの広がりが示しているのは、ケーキの味の変化というより、ケーキを食べるために必要だった“ひと手間”が減りつつあることなのかもしれない。

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