燃油・包装資材高がケーキ店を追い込む 小規模店ほど苦しい“三重苦”の現実

ショートケーキのイメージ編集部
ショートケーキのイメージ
ショートケーキのイメージ
ショートケーキのイメージ

 ケーキの値札を見て、「また少し高くなった」と感じる人は少なくないだろう。しかし、店側から見れば、値上げはまだ足りていない。むしろ「上げたいのに上げられない」状況こそ、今の洋菓子店が抱える大きな苦しさである。

【関連記事】令和のかき氷はなぜケーキ化、スイーツ化するのか? ”夏の絶対定番”の進化に迫る
一般社団法人の日本飲食団体連合会の調査レポートより
一般社団法人の日本飲食団体連合会の調査レポートより

 一般社団法人の日本飲食団体連合会が全国の飲食店経営者・店長を対象に実施した調査では、有効回答のうち64パーセントが、燃油・包装資材にかかるコストが10パーセント以上上昇したと回答した。さらに7パーセントは、事業継続を脅かす30パーセント以上の上昇に直面しているという。

 洋菓子店にとって、包装資材は脇役ではない。ケーキ箱、保冷剤、フィルム、手提げ袋、カップ、トレー。商品を安全に持ち帰ってもらうために欠かせず、贈り物としての見栄えにも直結する。燃油高は物流費や仕入れ価格にも跳ね返る。つまり、ショーケースに並ぶ一つのケーキには、クリームや小麦粉、卵、カカオだけでなく、「包む」、「運ぶ」、「冷やす」コストまで重なっている。

 問題は、こうした上昇分をそのまま価格に転嫁しにくいことだ。特に小規模店ほど、その難しさは大きい。大手チェーンのように大量仕入れで単価を抑えることは難しく、仕入れ先を簡単に切り替える余力も限られる。人手不足で人件費は上がり、電気代も重い。そこへ原材料高、包装資材高、燃油高が同時にのしかかる。まさに三重苦だ。

ケーキのイメージ
ケーキのイメージ

 さらに小規模店は、常連客との距離が近い。「いつものお客様に申し訳ない」、「誕生日ケーキを買いに来る家族に負担をかけたくない」。そうした思いが、値上げのブレーキになる。価格を上げれば客離れが怖い。上げなければ利益が残らない。結果として、店主や職人が労働時間を増やし、廃棄を減らし、利益を削って耐える構図が生まれる。

 一方、消費者側の行動にも変化が見える。ケーキは毎日買うものではなく、誕生日や記念日、ご褒美として選ばれることが多い。購入時に重視されるのも、価格だけではなく「味」や「特別感」だ。だからこそ、単なる値上げではなく、なぜこの価格なのかを伝える工夫が必要になる。

 例えば、旬の果物を使った商品構成への見直し、焼き菓子の強化、規格外素材を魅力あるスイーツに変える取り組みなどは、コスト対策であると同時に、新たな価値作りにもつながる。「安いから買う」ではなく、「おいしそうだから選ぶ」、「この店を応援したいから買う」という消費行動をどう育てるかが、今後ますます重要になりそうだ。

【関連記事】
”値上げできないケーキ屋”の苦しさ 原材料高が街の洋菓子店を追い詰めている

ケーキを食べる頻度は「2〜3ヵ月に1~2回」が最多 購入の決め手は価格より”味” 1000人の意識調査結果

規格外スイーツは「訳あり」から「選ばれる理由」へ 継続可能な食品ロス対策の鍵は商品価値にあり

ケーキコラム知る編集部

CakeNews-ケーキニュース-
テキストのコピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました